2026年6月23日(火)

だらだらと過ごした日。日曜は夕方ごろに、写真家のKさんのお宅がある高原の奥地へ。五年かかったとは仰っていたけれど、よくこんな瀟洒な別荘らしさに満ちた家をセルフビルドしたものだなと思う。メインのお客であるもうひとりの写真家のTさんともご挨拶して、その日は食事も含め夜二時までお話を伺ったりしていた。Tさんは一眼カメラのボケそれ自体を愛でるジャンルの第一人者で、こちらと同じく花撮りということもあり、機材や作品をはじめとした話に。ボケを弄るために収差コントロールの可能なレンズを使っていらした。135mmのDCニッコールと、もうひとつが宮崎光学/MS-OpticsのSONNETAR 50mm F1.1という、これも収差コントロールのできるレンズ。見てびっくりしたほど小型なのに大口径の明るさで、職人がひとりで作っているブランドのレンズだそう。これにエクステンションチューブとヘリコイドアダプターをつけて撮っているとのことで、その機材を触らせていただいた。びっくりするほど大きなボケが出る。プロともなるとこんな知る人ぞ知るようなレンズにまで目を利かせているのか……。こちらがライカの50mm F1.0について考えていることを話すと、ライカが魔界であることを伺った。ライカのレンズとボディで揃えて撮れば、ライカらしい素晴らしい画が出てくるけれど、それがよいとなればいくら個性を持った撮り手でも撮って出しで満足するようになりがち、ライカの画に呑まれる、とのこと。プロでもそうなるそう。それは困るけれど、どうだろ。お二人が属している業界や団体のことなどいろいろ話題はあったのだけれど、ひとまず二時ごろ就眠とし、月曜となった翌日も朝ご飯をいただいてから昼まで三人で雑談してお開き。そのあたりはきのこが豊かとのことで、山ほど採れたコウタケの写真を見せていただき、旬にはきのこ採りにきますとKさんと約束した。うちへいったん戻ったあとは駅へ向かい、新幹線も使って都内の恵比寿へ。そこで展示をされている作家さんの作品を拝見した。そのあとごはんを食べに近隣をうろうろし、カプセルホテルで一晩過ごしたのち、火曜日のきのうに帰途。杢のことで気持ち的にはあいかわらず沈んでいるところもあったはずなのだけれど、忙しさがあると感じているひまがない、というのはあるね。疲れることだからもうやんないけれどさ。夜の街を歩いたり電車からの街並みを眺めつつ、都市は孤独でさみしいと思った。一見賑やかで活気があるけれど、人間しかいない。ほかの生きものに許された領地は鉄道脇の葛が茂るようなわずかなやぶばかり。これはじぶんの感じかたの話なのだろう。街暮らしが肌に合うひとにとっては、緑が豊かというのは人工物がないからなんにもない土地、ということになるのだし、自分はその逆で見ているという。とくになにか論じたいわけではないから、それはそれでよいよ。でも、人間べったりな都市空間は余白がなくて、じぶんは長居できそうにはないな。そんなことを言いながら、金曜か土曜あたり、歌舞伎町のとあるバーへ行ってみたい気がしている。それはそのときに。

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