2022年1月31日(月)

きのうの気落ちを引きずってはいるものの、立ち直れそうだなーくらいのあんばい。なにか新しいことを求めたくなる気がした。当たり前のことであるけれど、人生をもし一本の伸びていく線に例えたら、いまこの瞬間は時間軸の最前線を進む、常に新しいものを眺めるなにかであるのだった。それから、もっか口笛を吹く周期へ入ったようで、音程にめりはりをつける工夫を見つけた。唇の横方向の動きを大きく取ること。音を出す際は舌の動きや唇の先の形に気を取られるけれど、横方向のそうした動きはわりと直接的に、音の動的さにつながる感触がある。

2022年1月30日(日)

交通量が多い道の真ん中に、まだ息のある轢かれたたぬきがいた。これではあんまりだと思って原付を止め、積んでいた軍手でたぬきをつかみ、道路脇の藪の前まで引っ張った。血だまりの中にいたし、ほんの少し移動することもままならない怪我に見えたから、遅かれ早かれ死ぬだろうと思った。検索結果に出てきた動物病院は日曜でどこも開いておらず、うちの猫がお世話になった病院も、掛けた電話はやはり繋がらない。通りすがりの方々に相談したところ「警察か保健所へ連絡する手もあるが、たぬきではまともに相手をしてもらえないだろうし、どちらもいずれ処分されるのでは」とのことだった。仕方がないから、そのたぬきがなんとか藪に身を潜めたのを見届けて、こちらも立ち去った。子猫くらいの大きさでひどい皮膚病に覆われたたぬきだった。続々と避けて通った車をとがめる筋ではないし、事故そのものは確率の問題でもあるけれど、はねた当人はおそらく知らんぷりをしたんだろう。僕だってなにかしてやれたわけでもないし。怒りと悲しみでぐったりしてしまう。しばらく誰とも喋りたくないな……。午前中はまだ訪れたことがなかった地元の湧水地二カ所を巡った。近場にこんな清らかな環境が保全されていたなんて、とほくほくするようなおいしい場所だった。腰を上げてよかった。最初に訪れた湧水地には先客の男性がいて、ここを定点観測していますというようなことを、挨拶のついでに教えていただいた。もう一方の湧水地には浅く入り組んだ水路も掘られており、これはまさか人の手で維持されている湿地帯かな、なんて考えたり。この地域はかつて水の利用に難があると言われた扇状地であるけれど、地下4~5mにはいい感じの流れが走っているかも知れないのだな。周囲も下草が刈られた環境で、冬のいまは日の光がまっすぐ差し込むけれど、春や夏には辺りの木々がほどよい木陰を作りそうだった。いつかまた来る機会があるはず。それから地元の城跡へ向かった。近くに秋冬のみ営業する地域の風物詩なたい焼き屋があり、そこのたい焼きを囓りながら市街を眺めると人心地がつくので、一冬に一度くらいはそれをやってる。たい焼き屋にはきょうも人の列があった。たぶん、なにより。高台のベンチに座ってもしゃもしゃと食みつつ、そういえばこの城跡でほとんど訪れたことのない場所があったなと思い出し、木々が生い茂る土塁の北側を回り込むように歩いた。つかみどころのない、けれど確かな懐かしさが湧いてくる、薄暗く陽の差さない遊歩道だった。ずっと昔にここへ来たきり、この歩道がどこへ延びているのか、どんなだったかも忘れていたのだと思う。もし長らく立ち入ることのなかった子供部屋へ入ったら、もし引き出しの底から古い手紙を引っ張り出したら、このときのように感じるかもしれない。嬉しさや悲しさのような明瞭さではなく静かに水が満ちるような思い、これはずっとここにあったのだなと目が細くなるような、記憶のなかに取り残されたままの場所をもう一度訪れた気分だった。そのまましばらく散策をして、冒頭のたぬきの件があってから帰着。自分の感情の激しさには中てられると容易にげっそりする一方で、なにかに深く思い入ることは替えの利かない自分の一面だ、とも思う。後者だけなら楽なのだけれどな……。そういえば、きょう訪れた湧水地の土手にたんぽぽの花をいくつか見つけた。今年初。ほかオオイヌノフグリやホトケノザが日当たりのよい場所にちらほらと咲いていた。

追記:
今回のような場合の連絡先を見つけた。いつか役に立つかもしれないからリンクを貼る。栃木県/ケガをした野生鳥獣の取扱いについて

2022年1月27日(木)

発熱はないものの、喉の痛みと腫れがひどかった。それで昨晩は気が弱くなり、県の受診・ワクチン相談センター(24時間対応)へ電話し、居住地周辺の対応施設を案内してもらった。もうすぐ日付が変わるころ。電話口の職員さんは声のトーンが抑えめというか、反応もどこかぼんやりとしており、正直なところこんな時間にリソースを割いてもらって申し訳ない、という気が先行してしまった。別れ際に「お大事になさってください」と気遣っていただいたのだけれど、そちらもだよ! とっさのことで上手な返しを言えなかった……お疲れさまです。時間の都合があって今朝になり、案内されたクリニックへ連絡を入れた。こちらの状況を電話で聞かれたり答えたりのあと、そのまま来て下さいといわれ、クリニックの窓口へ。一般的な受診の手続きを経て診察室で診ていただいた結果は「喉を痛めたか喉風邪でしょう、冬場ですから」というものだった。そうなのかー。医師はこちらの振る舞いから様々なニュアンスをくみ取って診断したんだと思うけれど、熱はあるかといった一連の問診のほか具体的にしていただいた診察は、指先で血中酸素飽和度を測ることと、服の上からの聴診だった。そうか、発症するとそのあたりに異常が出やすいのだな。僕はどちらも問題ないようだった。喉粘膜の腫れを抑える薬を処方してもらい、会計を済ませて外へ出た。足止めを強いてしまった家族にも申し訳なかったというのと、疑わしい症状が現れたら取れる行動は激減する、ということが身にしみた。ともあれ感染していなかったなら喜ばしいことで、こうした行動を取れてよかった。蛇足として、僕のように疑わしい症状がある人であれば診察は公費負担、そうでないけれど診てほしいという場合は自費とのことだった。今回支払ったのは、出してもらった処方のぶん。『ココ・アヴァン・シャネル』を観た。自立とさみしさの話だった。中指を立てて越境する人がかっこいいのは、どう笑ってもつきまとう陰りのためでもあるかもしれない。それから色を気に入って頼んだマフラーが届いた。おもに薄緑系。あいにく来月二十日までまん延防止措置が出ているけれど、人のいない場所なんかを散歩することがあれば着ようか。手のかからないやつだよ……。あと、加湿器を物置から出してやっと使いはじめた。

2022年1月26日(水)

熱はないのだけれど、いぜん喉が痛む。少しでも疑わしいと身動きの一切が取りづらいな……。選択肢も限られているし、今夜は早めに眠ってあしたの体調で考えるべし。ユキネコちゃんが届いた。生意気そうな目がかわいいかわいい。マズル感を出してあげられないかと考えているのだけれど、そのために入り用な細くて白い糸は、いま手元にない。いずれ手芸店でミシン糸かなにかを探すつもり。ここへ書いたかどうか忘れたことで、地元自治体の感染例報告からは年齢層や性別といったおおまかな属性が省かれるようになった。県の保健所業務が逼迫しているため、とのこと。

2022年1月25日(火)

きのうから少し喉が痛む。火照ってもいるのではときょうの昼過ぎに体温を測ると6度7~8分。コロナウイルスに感染すると急な発熱を伴いやすいと聞いていたから、7度台になったら行動不能に陥る前に誰もいない祖父宅へ退避しようと考えていたのけれど、あとで測るとおおむね5度台から6度ほどに収まっていた。5度台もちょっと謎だけれどそういう話ではなく。人の体温は夕方にかけて上がるものだけれど、疑わしい要素が加わると焦りも加わるし、疫病かそれ以外かの判別はむつかしい。それ自体は体調の変化に対して警戒できてるってことであり、なにもなかったのなら安心すればいいよ、という話だけれどさ。疫病対策の雑なメモをまとめていたおかげか、行動の選択そのものはあまり迷わなかったように思う。こうしたことが本当に役立つことがないようにしような。母の三回目の接種予約をオンラインで取った。次の日曜午前の枠。

2022年1月22日(土)

めずらしく昼寝をしてしまった。きのうから頭がぼんやりするうえ、いまは軽い頭痛。もうしばらくしたら春の気配がにじんできてしまうと思い、なるべく冬の景色や感覚に触れておくことにした。いくら自分にとって過酷だといっても、逗留したら名残惜しくなるのは場所も季節も同じなのだな。そして風景と記憶が交じりあうとき、人はそれらに愛着を覚え、先々で振り返りもするのではないだろうか。

2022年1月21日(金)

午前中までに積もった雪は昼にはすっかり融けた。病院をハシゴするため行ったり来たり。身体の深部の熱まで奪われる寒さや、感覚がなくなる指先の痛みにふるえながら、「冬のバーカ!」みたいな悪態を頭の中でついていた。夕暮れの空はそれなりに美しかったはずなのだけれど、ただ寒いばかりにそれを観照する余裕がない。僕はどちらかというと温暖な気候に向いた生きものなんだろう。少し前にVanness Pen Shop, Little Rock, AR で注文したグレー系インクのサンプル16ロットが届いた。よきかな。全てをボトルで手に入れるわけにはいかないから、これとつけペンで気に入るインクを探す。といっても、普段使いにするならいまのダイアミン・グレーで決まりなのでは、と思う。意外な好みが見つかるとよいな。