2021年5月20日(木)

『8 1/2』観た。夢と現が入り乱れて意味の分からない箇所が多かった。終盤で、主人公は夢から覚めたように生きる実感を取り戻すのだけれど、物語はなおあわいの不明瞭な地点を突き進んでおり、ここまで来るともう現実かどうかは問題ではないのだな、と思った。主人公に呼び止められた母親が、「さあね」という身振りとともに先へ歩いていく場面がある。そのあと女性たちが「私たちがいないとダメなんでしょ」と呼び戻す。その一連の展開の、収まるところへ収まっていく物語の感じが、終盤の強引な展開の中でしっくりきた。当分は読書へ割り当てる時間を優先したい。うかっとしていると、時間はいくらでも飛んでいくのだよね。それも心地よい過ごし方なのだけれど、いまは読書をしたという満足感を得たい、そういう気分が強め。

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