2020年5月26日(火)

午後より雨。気候はもう初夏に踏み入れており、天気がいい日の午後にはこうして夕立が通りすがるようになってる。雨脚が遠のく宵のころって、夕立のしっぽのようなものが有機的な闇の向こうをずるずると這って行くみたいで、なんというか辺りがうら寂しい密林に思える。

以前ここに書いた『スプリガン』を読み終えた。オカルトネタの飽和ぶりがすごい。理念のためにあえて守護に回る人って、言い切ってしまえば簡単なのは分かっているけれど、格好いいなあ。優の父親が神秘を追い求める冒険者であったり、師匠の朧が求道心のために他者を犠牲にしたりするのとは対照的だよね。自分も欲で駆動する性質が強く、そうとは思わないままに周りの人たちの盾の内側にいることへの後ろめたさを感じる。感謝していこうな。そして、ボー・ブランシェがああなってしまってやり切れない。脳筋のネオナチであることを除けば(それでほとんどだ)暑苦しくていいやつなのに……最後まで哄笑していてほしかった人物だ。登場したころはこの人ズレてる枠かなと思って読んでいたけれど、それでいてブレることは一切なく、終盤すごい化けた。検索したら「気高い差別心」「ベジータ理論」とか評されていて笑う。

漫画サイトaluでスプリガンと同時に薦められた『パンプキン・シザーズ』も古本で手元にあるんだけれど、こちらにはちょっと嗜虐性を煽るところがあり、そういうのが苦痛に感じられたので、読むのをやめた。aluにはほかに『プラネテス』を挙げてもらったような。いずれ。残酷描写の閾値って僕の場合はどのへんにあるんだろう。ヘルシングくらいだとなんか大丈夫。その場面に必要があるか無いかをこちらで取捨してるんだろうか。

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