2018年11月17日(土)

午前中は麗らかなる小春日和。

九時ごろ、カブの運転を練習がてら道の駅へ出掛けた。フリーマーケットの店主たちがゆるゆると自分の店を組み立てているそばを通り過ぎ、地元のイベント案内が様々に貼られているのをチェックしつつ、産直へ入る。目当てにしていた干し柿を素早く見つけたのち、目的もなくうろうろ。さつまいも売り場に紅あずまや安納芋、シルクスイートなどとあり、未だ食べたことのないシルクスイートを焼きいもにするつもりで一袋見繕う。よく見掛ける野太い形状とは違い、楕円形でころころとした芋だ。それなりなひと気と午前の自然光が館内で混じり合い、早くも年末特有の雰囲気を醸し出していた。思わず笑みが溢れる。

ベンチで少し往来を眺めてから、ポケモンGoのポケストを回し、神社に参拝。歩調が緩む。参道横の大銀杏はひとたび霜が来れば、目の覚める黄金に染まるだろうんだろうな、なんてことを写真を撮りながら思う。七五三に近かったからだろうか、子どもたちの姿をちらほら見かけた。

それから少し離れた高台へと向かった。カブのギアチェンジがへたくそなせいで坂道を空ぶかし状態になりながらよろよろと進む。おあつらえ向きの東屋と展望案内板が見つかり、犬と散歩をしている老人に挨拶なんかしつつ、そこで小休止を入れた。風が吹けばぶわーっと舞う枯れ葉はケヤキだっただろうか。東屋のベンチには折り紙製のふくろうが二羽座っていた。那須連山の山影は案内板を見てもいまいちピンと来ない。

帰り道に地域の土産物屋を覗く。ここの郷土品売り場はいつでも極めつけにまったりとした年の瀬感を漂わせている場所だ。意外な物品としては手漉き和紙があった。築百数十年という開放された古民家の中で、老人たちが囲炉裏を囲んで火を焚いており、木の燃える香ばしい匂いが辺りに吹き散らされていた。

ついでに玉藻稲荷へも立ち寄った。その辺りから見る那須の山々は頂上に白く荒々しい雲を抱いていた。去年の今時分に上のほうまで行ったときは既に薄ら雪が積もっていたから、あの雲も雪雲なのかも知れない。去年と違うのは見川鯛山の本を読みかけていることで、あの山深いあたりにひっそりとした集落の暮らしがあることを僕は知っている。稲荷そのものは特に変わり映えせず、池の水がやや浅いのと、水芭蕉が芽だけ伸ばしているのを見て取ったくらいだった。

今日は日がな人心地が着いていて、晩秋の気配をしみじみと感じていた。常にこうありたいと思う。それから今日明日と第9回APOLLOがあるから、出来るだけ作品を聴いておきたいところ。

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