2020年6月9日(火)

なんかぐったりしてしまう。例年のことではあるものの、春先からの活力が切れるころみたいだなー。lisnの058 PRIZESと121 NIGHT IN TUNISIAを焚いてる。前者は爽やかな漢方の香りで、蝉時雨の降るお座敷にいる感じがする。後者は濃密な闇夜の香り。

2020年6月8日(月)

今年の一月半ばから飲酒をやめていたのだけれど、きょうは気分の落ち込みがあり、一年ほど前に仕込んだびわ酒を二杯ばかり水割りにした。祖父と収穫して漬けたもので、ラベルに19年7月3日とある。飲みながら、酔うのは麻痺ってことになるのかなとか考えていた。軽くハミングしたくなるから簡単なものだね。酒のしびれる感覚には慣れないほうが楽に生きられるのかもしれない。

昨日撮った写真を軽くプレビューするうち、白飛びとピンボケのばかりが目について、気落ちしていた。いまは一年のうちでも日差しが強いから、人の目には普通の風景であっても明るさの幅は極端になる。こういうときレンズにNDフィルターを使うのかーと気づいて、とりあえず4段減光に該当するND16のフィルターを取り寄せることにした。可能ならND4,64,1000のように数枚を携行しておいて、状況によって組み合わせて使うとよいそう。でも、高い。ほかのレンズにも使いまわせるよう、ステップアップリングもあとで手に入れるつもり。こうしたアクセサリは都市部のジャンク屋さんなら捨て値で転がっているんだろうなー。

2020年6月7日(日)

那須のコピスガーデンというお庭が早朝営業をしており、梅雨入り前の光を求めて朝早くから向かった。一時間ほど園内の草花を撮る。十時までしばし看板なので、その合間に山の上の展望台へ向かい、下りがけに殺生石も立ち寄った。原付は案外上のほうまで登れてしまうものだけれど、それ以上に自転車乗りの人々が急な坂道を漕いでいることにびっくり。そのあとまた園内へ戻ってうろうろしていた。花を見に来たのではなかったの。つかれた。鏡に映った首のあたりが赤くなっていて、日焼けかも。体のあちこちが汗を流してからもずっとちくちくしてかゆい、というか腰のあたりに蚯蚓腫れがあった。園内のあちらこちらに各種の毛虫がいたもんねえ、たぶん夢中になっていてなんかに触れたんだ。ツチアケビのようななにかを見かけた。晴れ間は火曜か水曜までのようだから、それまでにもう少し日の光を活用できたらいいな。

2020年6月6日(土)

眠たい。明日はよく晴れるそうだから、朝早く写真を撮りに行く予定。Twitterで梅雨入りと検索すると、日月火の晴れ間を狙って行動するつもりらしい人たちが散見された。そりゃあねえ、六月の光線は素晴らしいから、そうしたチャンスを活かしたいよね。今日は早めに眠ってしまおう。

2020年6月5日(金)

バイオームへ投稿した生きものの発見種数(おもに種子植物)が百を超えた。やったー。こうして数に直してみると、意外なほど植物を区別しながら生活していたんだね。投稿一覧を見てると信じられないくらい各方面に詳しい生きもの好きばかりで、ひとり鼻を折られるのが心地いい……そうした人たちの後をついていこう。これまで手元でめくっていた植物図鑑としては、塚谷裕一『スキマの植物図鑑』(中公新書)と稲垣栄洋『散歩が楽しくなる 雑草手帳』(東京書籍)がそれぞれ掲載種は100種くらい。そちらに載ってる植物はそこそこわかるかも、という程度へ理解が進んできた。いまになり役立ち始めた岩瀬徹・飯島和子『新版 形とくらしの雑草図鑑』(全国農村教育協会)は300種。当分のあいだ、バイオームでの発見種数の目標も300程度にするつもり。単純に、見分けられるものを増やすため、掲載種が豊富な図鑑を読み込めていけたらいいな。

祖父宅で梅の実を少しばかりもいできた。あとでかつぶし出汁かなにかに漬ける。耳鼻科へ向かったあとで髪を切った。

2020年6月4日(木)

腕が汗でべたべたするようになってきた。梅雨入りにはあと数日あるだろうけれど、気象の変化って基本的には連続してるのだなあと感じる。

2020年6月2日(火)

そういえば六月になってしまった。過ぎていくのが惜しいくらい麗しい月だから、いっそ始まらなくてもよかったのに。梅雨入りって、照明が突然ばちりと落ちて薄暗い廊下に出るような、あるいは生活空間がとっぷり水没するような感覚がある。これが七月に入ると、チューニングがずれる感じがあり、僕は僕で春先からの体力が尽きるころでもあるため、外気を味わう余裕は薄れていく。

同じ空間にすいかずらが咲いているおかげで現在、闇が例え無しに甘い。それでなくても夜道は甘いにおいがする。来年は小くちなしにも甘い香りを提供してほしい。花芽の仕込みは春から始まっているらしいから、とりあえずの目標は枝ぶりを充実させることなのだろな。それからくちなしには夏場、オオスカシバが産卵しに来るとのことで、今月末辺りオルトラン粒剤を与えられたら。日暮れごろ来た夕立はいまは止み、ときおり雷がステレオで鳴り響いて、雨脚が静かに戻ってきた。

2020年6月1日(月)

『自選 谷川俊太郎詩集』と『詩を読む人のために』が届いた。ほかの本と並行して読む。雨降り。しばらく天気予報に傘マークが並んでおり、このままなし崩しに梅雨入りするのかもしれない。気ばらしに出掛けてみたい庭園が次の土日は朝早くから開いているらしく、どちらかでいいから午前中晴れてくれたら。スペースXの有人飛行で宇宙開発の潮目が変わるということを、IST社長の稲川さんがYouTubeで話していた。

2020年5月31日(日)

夕方になり、すいかずら/ロニセラの’グラハムトーマス’が咲き始めた。香水のような強さと鋭さを持つ、とても甘くて酸味のある香り。記憶にあるのはくちなしのような底しれない甘さだったから、こうして嗅いでみて、酸っぱさも多く含むことが少し意外だった。芳香剤らしさもあるけれど、それはしばらく忘れる。よくうちへきて咲いてくれた。

道の駅で見つけたオカヒジキをさっと湯がいてお浸しにし、めんつゆで食べるのが美味しかった。歯切れはよく癖はなく、マメ科のような旨味を感じる。こんなものが農家さんの庭先では雑草のように生えてるとか。一年じゅう食べていたい。直売所へ立ち寄ったついでに周辺をうろついて、バイオームの図鑑に登録できそうな、名を知っている生きものを探した。たぶん、知らない生きものを調べて分類することがこのアプリでの楽しみだと思うのだけれど、初期ボーナスってことで。という割にはあっさり、知っているものと知らないものとの境界が可視化されそうで、自然は好きだよと得意がってた自分が少し恥ずかしくもある……。楽しくやればいいと思うよ。久石譲氏の『RAKUEN/MALDIVES』というCDをお気楽なBGMのつもりで手に入れたら、聴いていて時間の概念が溶けるようなよく分からない怖さがあり、慣れるまで二年要した(最近慣れた)。自分のことを考えるとき、なにかしら未来の片鱗はすでに身近にあるということを、どんな詩を手に取ったものか迷っていて思う。それは都合のいい後からの解釈なのかもしれないけれど、少なくとも出来事を意味あるものとして受け取ることはできる。ワーズワースの詩集を読まないわりには長いこと手放さず積んでいた。きっとこれはいま必要なものだ。