2020年9月23日(水)

夜になり食材を買いにいく道すがら、懐中電灯を点けて散歩する人の姿をちらほら見かけた。歩くのに快適な気温でもあるし、明日には台風が接近するから、それを見越してということもあるかも。もうそろそろ、夜には上に着るものが余計に欲しくなってきそうだ。『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を観た。形ばかりの宇宙軍に所属する青年が下心を切っ掛けに宇宙飛行士へ志願し、史上初の有人宇宙飛行を目指す話。地上を離れることの社会から見たいかがわしさや、人類が繰り返してきた営みを圧縮するビジョン、手を汚した彼が軌道上から呼びかける祈り、そうした諸々を貫く、星の世界を目指すことへの力強さがじんときた。それができるならそうせずにはいられないという人の持つ欲求が、愚かしさよりも勇気やいたわりで人々の行く先を照らしていて欲しいと思う。目指す方向こそ逆だったけれど、その飢えるような好奇心は『猫の地球儀』がストロングに描いていたなあ。中盤でちらっと映る、どこかの海辺で散髪をするシロツグのシーンが、腹を据える感じと休日じみた穏やかさとを伴っていてよかった。そして作中の音楽がとても好き。頭上を臨むような浮遊感と静けさと、新しいものを迎え入れることへの確かな予感に満ちていて、それがこの物語の持つ展望をずっと奮い立たせていた。見終えてから開いたWikipediaに「堀江貴文は、本作の熱心なファンとして知られ、宇宙事業参入を目指し、ロケット開発への投資を行なっている[19]。」という文章を見かけた。僕は堀江さんが民間のロケット打ち上げ企業へ傾ける情熱と商魂を信頼してるから、この映画に同じものを感じたのではと思ってうれしかった。

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