2021年7月12日(月)

産直を覗いたついでに古い市街地を通り、その流れで、あじさいで知られる城趾に少しばかり立ち寄った。立派な山門の横に合掌する菩薩の石像があって、その足下から水が溢れて道を横切っていた。山林の空気も爽やかだったから、あたりに腰掛けてしばらくぼーっとしていた。やっと調子が持ち直した日。これをどうやって上向きに持っていけばいいんだろう。余計なことをせずにそのままというのが安定しそうだけれども。

2021年7月9日(金)

血液検査の結果を聞きに行った。ほぼすべての項目で異常がないようだから、いまの主治医に相談するのがよいのでは、ということだった。少しずつ楽になってきた感触はあるようなないような。十六年かそれ以上使ってきた椅子が少し前に壊れ、新調した。元のは学習机によくある形状の椅子で、背中あてを留める太いねじが折れてしまったのだった。長いこと世話になったね、お疲れ……。新しい椅子はアイリスプラザの売れ筋なH-298Fという型番のブラック。椅子にはお金をかけるべきという意見をオンラインで見かけるけれど、予算もないから当面のところはこれで。座り心地はそつのない感じだ。家電や家具は目立たないことが至上なのではないだろうかと、次第に思うようになってきた。63円のポケモン切手を郵便窓口で購入。84円のもかわいいですよ~とおすすめしてもらった。そっちの金額はなかなか使う機会が持てずにいるのだよね。丸坊主にしたくちなしからは新しい芽の萌え出す様子が見える。このごろ気が滅入っていることや世相の暗さも手伝うのか、この時期に感じるはずの季節感は得られていない。

2021年7月7日(水)

買い物の帰り道に、ときおり訪れる見晴らしのよい高台から日が暮れていく空を見ていると、幻日らしきものが太陽より左側に見えた。空には流れの速い気流があるようで、幽霊か蚊柱のような黒い筋が、西から東へ幾本も伸びていくところだった。幻日のWikipediaを読むと、それは氷晶が必要な光学現象らしい。僕の見たものが幻日であれば、あの黒い気流のあたりにはとても冷たい空気が存在していたんだと思う。地上はじっとりと汗ばむ暑さだった。垂直方向で見たときの大気の状態変化の激しさを思う。その見晴らしのよい場所へ来たのはへこんだ心が晴れるだろうかと思ってのことだった。少しは気が晴れたかもね。