2022年6月21日(火)

買い物の帰りに藤棚へ立ちよった。なんとなく知ってはいたものの訪問は今回が初めて。曇りがちな空のもと、溜め池を前にした藤棚のなかを、夏至の風がゆるやかに通り抜けていく。そこにいて思うのはアクリルのことだった。こんなふうにくつろいで過ごすのはいつどこにいる誰だろうね、なんて想像をしながら、風が肌に触れる心地よさにまかせて、足もとの翳りや雑草の動きをぼんやりと視界に入れて過ごした。なかなか上手な言葉にならないこうしたひとときが、ときにはずっとあとまで思い出される至福となりうることを、うれしいことに自分は知っている。溜め池の前の立て看板には生息する希少種と環境について書いてあったから、ここはそれなりな配慮がなされた、地域の方々によって保全されているよい湿地なのだろうと思った。藤棚周辺の下草はある程度刈られ、ベンチがあり、桜も植えられている。ときおり訪問する場所になるかもしれない。

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