

日中は雨。気が落ち込む。


日中は雨。気が落ち込む。
花壇用の領域を耕して堆肥など漉き込むところまで片付いた。昨日雨が降ったおかげなのか、固く締まった土はシャベルで削りやすい気がした。初めに手がけてからなんやかんやあって十日以上掛かってしまったけれど、庭の作業はこれでまたいくらか進行するはずだ。元はといえば母がいまある花壇を広くしたいと言ったことが切っ掛け。一度やればもう手がける気は無くすだろうと思ったから、通路の邪魔にならない限度で倍ほどに広げた。あとは母が好きに使うはず。そのほか、庭に侵入してきた篠笹の芽を切って回ったりした。これは篠笹がファランクス陣形を取って放置されている隣の敷地をどうにかしないかぎり、焼け石に水というかジリ貧なのだけれど、そちらの持ち主もなんとかする余裕はなさそうだと聞いた。幸い人が通ることのほぼない山道を挟んでいるからそこでなんとか。園芸品種なほうのあけびに小さな実が一つついていた。秋まで無事に大きくなるとよいな。祖父宅から移植した五葉のあけびは根付いてくれたらしく、ぶつ切りにされた蔓から若葉が吹いていた。あけびには自家不和合性があるとのことで、これらの株が互いに助け合うのは来年以降の話。
昼過ぎから夕立。雷が去って行ったあとも、雨は静かに降りしきっている。眠たい。
敷地の手入れなど。二鉢目の白万重はやっと植え付けることができた。花後の球根植物は草姿がだらしなくなるから、結実部や枯れ始めた葉先は思い切って取り除いた。作業は秋頃になると思うけれど、分球しすぎたムスカリや水仙は掘り起こして間引こう。夕方になり、フォンド・メモリーズの一番花が開き始めた。去年秋に咲いた一輪は迷ったような季節外れの花だったから、ちゃんとした姿を確認するのはこれが初めてになる。フロリダ系の大輪かつ花持ちがよい種族とのことで、あと一、二年かけて株を充実させれば、多花性を持つだけに見応えのある咲きっぷりになると期待してる。近くの日陰に植えたすいかずらのグラハム・トーマスにも房状のつぼみがいくつか付いていた。この種族は、伸びる枝に関してはべらぼうに伸びるから、小まめに様子を見てきっちり誘引する必要がある。その蔓の伸びかたには攻撃性というか、がるるる、という感じの攻めの姿勢を感じる。居室でかわいがっていたほうのグラハム・トーマスとジャスミンの茉莉花は、春先にばっさりと刈り込んだもののたいしたダメージもなかったようで、枝が勢いよく伸びてきたところ。いまは室外機の上で外の風を謳歌してる。雨が降り続くようになると多湿で病気になるから、そのころには取り込んでやろう。鉢植えの小くちなしは矮性だけあって展開がとても遅く、花芽が付く気配どころか枝もほぼ伸びないうえ、少し水をやりすぎるとびっくりして葉が黄変してしまう。しびれを切らしてオンラインで一重の普通のくちなしを注文してしまった。この時期はどこへ行ってもくちなしの苗を売っているけれど、並んでいるのは八重咲きの苗が多く、一重のくちなしを店頭に見つけようと思ったらけっこう探す必要があるようだった。僕はくちなしに対して花の香りを求めており、花そのものは一重の素朴さが飽きないだろうと思う。

庭の斜面部分に芝を張った。去年、母が芝生用の除草剤を雑に使い、芝そのものも枯らした場所だ。そういうことは仕方ないから季節を逃さずに植えようという流れだったのだけれど、床土や目土を入れたりもして作業が夜までかかった。もう梅雨だから大雨が降れば貼った土が流されるかもしれない。なので高麗芝のシートは割高になってしまうけれど、ます目をずらしつつ隙間なく敷き詰めた。目隠しの植栽の植え付けとこの件については、あとは見守ればよしという待ちの態度になったから、多少は気楽。庭やそのほかにもやることはたくさんあるけれどさ。金曜に母のワクチン接種案内が届いた。予約を取るにしても電話では繋がらないだろうねという話になり、次の予約受付開始日に僕がウェブで手続きをしてみることになった。どうせ困っているだろうからと大叔父の予約も引き受けた。ただ彼については個人的に憎んでいる発言があり、それとこれは別なんだということをわりあい頻繁に思い出している。

園芸センターへ向かってギンマサキとレッドロビンを購入。その日のうちに庭へ植え付けた。あとは目隠しとなるよう育ってくれるのを待つばかり。気がかりだった作業がこれでまた一つ片付いた。といっても、やるべき庭の作業はいくらでもあるから、ひとつずつ取り組めたら。

白万重が展開してきた。緑色の花がとびきり綺麗だ。クレマチスのうちでも特に花持ちのよい品種らしく、うれしい。在庫を問い合わせてもらっていたギンマサキとレッドロビンが入荷したとのことで、あしたというかきょう、園芸センターへ再び向かう。早く寝てしまおう。

『8 1/2』観た。夢と現が入り乱れて意味の分からない箇所が多かった。終盤で、主人公は夢から覚めたように生きる実感を取り戻すのだけれど、物語はなおあわいの不明瞭な地点を突き進んでおり、ここまで来るともう現実かどうかは問題ではないのだな、と思った。主人公に呼び止められた母親が、「さあね」という身振りとともに先へ歩いていく場面がある。そのあと女性たちが「私たちがいないとダメなんでしょ」と呼び戻す。その一連の展開の、収まるところへ収まっていく物語の感じが、終盤の強引な展開の中でしっくりきた。当分は読書へ割り当てる時間を優先したい。うかっとしていると、時間はいくらでも飛んでいくのだよね。それも心地よい過ごし方なのだけれど、いまは読書をしたという満足感を得たい、そういう気分が強め。

日がな小雨。
午後より小雨。舶来ものの種、ヨルザキアラセイトウ(ストック・ナイトセンテッド)と芳香性ツキミソウ(イブニングプリムローズ)を、ざっくばらんに庭へ蒔いた。どちらも香りのする花が咲くらしい。いまからでは十分に育つか分からないけれど、ものは試しだしね。ノースポールも蒔いたけれど、こう気温が高くなっていると発芽するかは不明だ。それから近場に見つけた園芸店へ向かった。着いてみて苗の充実度にびっくり。この店があれば、遠征やホームセンターのはしごはもう必要ないかもしれない。流行りの花の苗と園芸資材が豊富で、多肉や観葉、珍奇植物の棟もあった。嬉しい発見をあとにして支援センターへ。面談の前後の時間調整にと、持ち込んだ雑誌をフリースペースのベンチで読んでいた。いまは休刊となっている『旅行人』という、バックパッカー向けらしい雑誌。創作の種にしたいと思って古本を集めているのだけれど、読むペースが一向に追いつかないため、人の気配がする場所でなら見栄も手伝って読書に集中できるかな、と思ったのだった。面談ではもっかの体調や趣味の話などをして、一ヶ月後にまた面談を設定した。小雨の降るなか帰着。これから夏にかけての課題として、旅行人のほか、H・W・ベイツ『アマゾン河の博物学者 普及版』(長沢純夫・大曾根静香訳、新思索社)を読めたらいいな……と、自信がないなりに考えているところ。文章量が多いため、長いこと本棚の肥やしになっている。『たのしいムーミン一家』と『ムーミン谷の夏まつり』も並行してかじり読みをしたいから、ちょっとずつ取りかかれたら。