2019年9月20日(金)

たまに飲む珈琲は疲れ知らずになれてよいね、雨どい掃除のほかはおおむねの用事をこなした。これでしばらく堕落して過ごせるから、今夜はとりあえずラジアンと本かな……。週明けまでに台風がまた接近するとのことで、いまちらっと停電情報を見たら、千葉県の停電は一万軒を割っていた。もう少し。

花飾りブラッキーのかわいさはちょっと鋭さのある子が見せる隙のような。リーフィアにハイポネックス飲ませたい。

今日の夕方の風は川の水のようだった。夜の気温は20度を割ってきたし、金木犀の香りも漂い始めたから、秋と言って不足無いのではなかろうか。

2019年9月19日(木)

週末にかけてまた台風が来るとか。祖父から頼まれている除草剤散布や雨どい掃除、秋の彼岸につき墓参りなど、明日は立て込む予定。早めに眠ってしまおう。

2019年9月18日(水)

デバイスの液晶画面は見たくないのだけれど音楽は聴きたいと思うことがあって、このグリーンハウス kana DB 単4形アルカリ乾電池対応デジタルオーディオプレーヤー FMラジオ(ワイドFM対応) ボイスレコーダー機能搭載 8GB ブラック GH-KANADB8-BKというのを弄ってるところ。うわーすごい、十数年前に音楽を聴くのに使っていたCreative MuVo V100とスペックも仕組みもほとんど同じだ……。MP3プレーヤーはここまでこなれて安くなったんだなー。このグリーンハウス kana DB、3.5mmジャックが本体の真横に付いている点は気になるものの、USBメモリとして扱える上に音楽ファイルを書き込むだけで聴けるから、使いやすい。

祖父が植えた「ぽろたん」という比較的大粒で渋皮が剥きやすい栗を、きのうたんまりと分けてもらった。あとで茹でる。

2019年9月17日(火)

2017年のオウムアムアに続いて、これから太陽系を通過するボリソフ彗星の記事を読んでいると、今どきの宇宙開発や天文観測は、かつてSFだった領域をたゆみなく浸食し拡張しているなあ、と思う。

そういった外からの来訪者は希で、たまたま観測技術が良くなったために見つかったのだろう、と思っていた。もしかすると、これまでは全く気づかなかっただけで、実は案外多くの訪問者が太陽系を訪れているのかもしれない、と思わせる発見なのである。

三菱電機 from Me:オウムアムアに続く太陽系外からの小天体? ボリソフ彗星

笹本祐一氏の『ブルー・プラネット』(ソノラマ文庫)という、木星軌道のラグランジュ点に送り込まれた探査衛星を巡るお話を引っ張り出したくなる。若干ネタバレになるけれど、この作品は系外惑星の直接観測というお話を通して、SFにふさわしい高揚感に包まれたエンディングを伴いつつ、人類が火星の次に目指すべきものを明確に教えてくれた。現実には、打ち上げ時期の度重なる延期と際限ない予算オーバーの果てにジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとうとう地上での組み立てを終え、2021年の打ち上げを予定しているとか。こちらは太陽から見て地球の後ろなL2でファーストスターを探すそう。重力波天文学やブラックホール撮影もよいスタートを切り出したことだし、いまの最先端を行く天文学ってもう、僕の知るSFを少しばかり越えつつある。

ていうか、現状の観測技術の枠内で都合よく検出できる位置にある系外惑星だけでも、既に四千個以上の惑星が見つかっているのだよね。先だって、大気に水蒸気を含むハビタブルゾーン内の系外惑星がニュースで取り沙汰されていた。長沼毅/井田茂『地球外生命体 われわれは孤独か』(岩波新書)の執念深い検証を読んだとき、地球の偶然や生命の掛け替えの無さは、宇宙ではありふれた出来事なのではないかなあ、ということを思った。

「生命って、そんなにひ弱な、発生するかしないかがダイスの出目で決まるようなものじゃないわ。気候が安定しない軌道の星なら、それに対応した生命体が発生する。月による潮の満ち引きがなければ、それに応じた発生体系をとる。環境が静止して安定しちゃった、エントロピー平衡の世の中でもない限り、必ず生命は発生するのよ」

「……それは、そっちの業界の最新の学説かい? それとも、スウの宗教かい?」

『ブルー・プラネット』

2000年に刊行された上記の作品でちらっと触れられていたエウロパ・ランダーは、こちらの世界ではエウロパ・クリッパーという名称で、2020年代の木星圏探査計画の旗手として織り込まれた。同様なプルートー・カイパー・エキスプレスは名称が二転三転してニュー・ホライズンズとなり、国家の威信をかけてみたらぶっちぎりで太陽系深部へ切込みを果たせましたみたいな、ちょっとよく分からないレベルの解像度で最果ての星の姿を送信してきている。きっと人類は技術としてはいまから二世代か三世代くらい先に、レーザー推進やなにかといった、先進的な技術を実用化して、太陽系近傍の有望な惑星を数十年掛けて目指すのだろう。僕は健康に生きながらえていれば、もしかしたらそういう科学の恩恵に浴せるかも知れない。

2019年9月16日(月)

小雨の中、那須神社の例大祭を少しだけ見物。楼門前の濡れた太鼓橋で軽く滑ってしまった、恥ずかしい……。一緒にいた見物人は十名か十五名ってとこで、基本的にこのお祭りは観光客を当て込んだものではなく、地元の人たちが内輪で受け継いでいる、地域の伝統行事なんだろう。晴れたらもうちょい人が来たのかもね。祝詞やお囃子が聞こえてくる本殿の中では、浅葱の服を着た宮司の人たちが向かって左側に、来賓らしい地元の議員たちが向かって右側に座り、意外なくらいに奥行きのある中央正面の祭壇のほうへ、出たり入ったりしていた。なにかで見た予定ではそのあと、奉納の流鏑馬や太鼓や、獅子舞に子供相撲などがあるとのことだったけれど、すぐには濡れない程度の小雨が降っていたから、僕は程ほどにして引き上げた。帰り際に、境内の出店でうぐいす餡の大判焼きを買い食いしつつ、そのあと馬が走るだろう長い参道を歩いて帰った。

2019年9月15日(日)

祖母の一周忌につき、彼女の身内で寺に集まり経を読み上げてもらった。これで当分は親戚の行事に呼ばれることもなく、静かになりそうだ。一年のうちに二人も逝ってしまうと法事が立て込んでねえ。……率直にいうと、僕は祖父が孤立しないよう彼の補佐をしているつもりだけれど、いとこたちがその埋め合わせをするなんてのは期待しては駄目だなー。別の見方をすれば、祖父母に懐いたのは孫四人のうち僕ひとりだった、てことだ。

昼過ぎに、シュウカイドウが見頃だという矢板の寺山観音寺へ向かった。杉林に囲まれてしっとりした境内とその裏山に、濃い桃色をしたシュウカイドウがわさわさと花房を垂れていた。僕はこの水気を含んでぼってりとした植物がとても好きだ。きょうは「しゅうかいどうまつり」の当日で、午前中にはバンド演奏もあったとか。境内で店番をしていた子連れのおかみさんにコーヒーをもらうと、手頃な場所に椅子とテーブルまで出してくれた。寺は午前のうちに来訪者が捌けたのか、ちらほらとした人足にゆったりした雰囲気をまとっている。あと一週間くらいは花に見応えがあるのではないだろうか。山あいの立地だから日の暮れる早さはあるけれど、写真を撮るにものんびりと構えることが出来たし、午後から来ても十分に楽しめるお寺だった。

2019年9月14日(土)

冷房が要らない気温だと窓を開け放しておける。往来の生活音や風なんかの自然音を屋内に取り込みつつ寛げて、わりといい気候。明日は祖母の一周忌がある。それと、シュウカイドウ見物に出掛けるかも。

2019年9月13日(金)

霧の降る肌寒い日。夜半に掛けてこの曇り空は晴れる予報が出ており、うまく行けば十五夜の月を見られるかなあ、なんて思う。

2019年9月12日(木)

秋だなー。夜の湿度はあるけれど、冷房はもうじき要らなくなりそうだ。毎秋のカメムシ対策もやんないとね。朝晩が冷えるころ、奴らはより暖かい越冬場所を探して壁や窓に群がったり、屋内へと入ってくる。臭いと羽音でやられる前に、専用忌避剤をサッシと網戸に塗らねば。庭の桃色した彼岸花が二つ三つ咲いていて、これはあんまりどぎつい印象はなく、どちらかというとおっとりとした感じがする。

2019年9月11日(水)

プレピーを求めて立ち寄った文具店で懐かしいものを見つけた。ステッドラー マルス グラファイト777(グリーン)という名前のシャープペンシル。中学か高校生のころの僕は、常用の筆記具を三菱のユニホルダーへ切り替えるまで、主にこのシャーペンを使っていた。軸の内側が広いため、そこに暇つぶし用の紙切れを丸めて仕舞える。授業中の気晴らしに分解したり、中の紙切れを取り出して創作っぽい設定を練ったりしていた。……数年前に当のホルダー鉛筆を見つけ出して弄っていたとき、当時のしんどさを思い出して軽い目眩がしたものだった。いまは特段そういう感覚はないなあ。バーコードにドイツ製とあるこのグラファイト777、こうして存在してるってことはある程度の期間作られ続けているようだから、ステッドラーの定番商品なのだろな。なんとなく無銘かのように覚えていた。再び触ってみて思うのはその軽さ。すべて樹脂製の単純な構造をしており、軸はラバーぽい感触で掴みやすい。へー。しばらく手の届くところに置いておこう。

 

9月17日まで無料という触れ込みで吸い寄せられた『ベルリンうわの空』という漫画が面白くて、ただいま読んでいるところ。ドイツへの移民となって街や人々を観察する、という紹介でよいのだろうか。適応する力がつよい。今どき、日本で暮らすこととほかの国で暮らすことは、言語や交流のスキルさえあればさして違いはないのかも知れないなー。とはいえ、いまの僕は掛かった負荷を着実に外していくことが最優先で、焦りはあってもなくてもそれなりにきつい。9月18日から『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』という連載が始まるとのことで、覚えておけたら。