例の店がどうにも気になって連絡し、あのフロッピーは貴重品でまだ必要とする人がいるだろうことと、高い値が付くこと、それから文具のおまけをひっそりつけて下さったことへのお礼を伝えた。
二つの計算尺はそれぞれHEMMI(ヘンミ計算尺株式会社)のNo.P45Sとポケット計算尺No.30であるらしい。前者は中学生用のもので比較的、といっても普通に考えると困難なのだが、多く生産された品だ。後者のポケット用はごく当たり前に稀少。あったらいいと思っていたものが脈絡もなくぽん、と飛び出してきた。素晴らしい贈りものをくれた三月尽に、至福に眠れと言いたい。
それで、四月。雨降り。気の早い桜など咲き誇っているものが街中にひとつあるけれど、観桜名所な近場の城跡公園はほとんどが蕾のままだ。そのうち咲くのだろうと、満開になればメールが来るサービスを見つけて登録はしておいた。そのまま絵になるような、ちっこい朱の鳥居に桜吹雪の舞う場所を知っている。撮りに行くだろうか。なんだかんだ言っても通りすがって見上げるくらいがいいと思っているし、ただ眺めるだけの山桜や葉桜は待ち遠しい。
これを書いていてそばに猫がやってきた。奥床しいふりをしながらすんすん擦り寄ってきて、妙に機嫌のよい様子。相手にしないでいると満足するらしいから片手間に撫でつつ放っておく。
Chari ChariのAuroraのLPにサンプルなのか、赤と黒の小洒落たCD-Rが頒布用不織布で同封されていた。ラベルへ針を落とせるのかと確認したほど外観がよく、検索すると三菱製のPHONO-Rという、音楽好きというかオーティオマニアに好評のものだった。いまCDのリッピングが終わったところで、A・O・Rもつつがなく放送されたし、gk-record Compilation 2014というそれらを聴き始めた。
……なんというか、チョイスがすげえな。本気で聴かせにきてるよこれ。
たばこを喫っていてライターのガスが無くなるのに気付く。猫が荒ぶり始めたからここでおしまい。
追記:ポケット計算尺は、No.30ではなく姉妹品のNo.32じゃないかな。革ケース付き・かまぼこ形プラスチックレンズから憶測。刻印はNo.30のままなので両者の過渡期のものかも。