2021年8月13日(金)

墓参り。ひとけの多い墓地と寺には浮き足立つような雰囲気がある。お堂で初盆の読み上げがされているのを見ながら母とお賽銭をした。『セミマゲドン』観た。Twitterで中継を投稿したし、アホっぽい作品なので、楽しかったほかに感想は特にない。イブン・バットゥータ『大旅行記〈1〉』(家島彦一訳、平凡社)の古本が届いた。やったー。本の世界のよいところは、少し前まで19世紀のアマゾン流域にいたのが、今度は14世紀のイスラム圏を放浪できるところ。古本でも値段の張る本だから、一度に揃えるのではなく一冊ずつ手元へ呼び寄せて、自分の金銭感覚をだます予定。お盆のあいだは雨降りの様子。

2021年8月11日(水)

二度目のワクチン接種を受けた。いまのところ若干のだるさ以外に変化はなし。まったく痛みのない注射だったことが意外だった。帰りしな、副反応に備えるというよくわからない理由でポテトチップスを買ってしまった。注射される際に医師から「接種後二~三日は副反応が現れることがあります」と言われたから、きょうは早めに床へ就くほうがよいのだろうな。夕方近くに母と、お盆の墓参り前に父の墓を掃除した。

2021年8月10日(火)

定期通院先の先生から「人がうらやむような生活をしている」といわれた。精神的に安定して趣味にも取り組める日々が、という意味。ここまで来るのに二十年ほど掛かったな……。あしたは二度目のワクチン接種の日。ペルセウス座流星群の前後は前線がかかって雨がちの予報で、星が見える都合のよい日は今晩くらいみたいだ。ちょっとだけ空を見るつもり。もしかしたら災害が起きるような大雨になるかもという呼びかけが、ウェザーニュースから入ってきた。

2021年8月9日(月)

なんとなく過ぎし日。ボリュームのある本を相手にしてきたから次は気分転換になるような読みものを、ということで、星野道夫『イニュニック〔生命〕』と旅行人の読みさしをめくろうかと考えてる。夕方近くにちらっと買い物へ出たところ、遠景が白くかすんで見通すことはできなかった。低い位置に雲がかかっている感じだけれど、もっと一様ではっきりしたかすみ方。温底に変わった元台風が通過する風の強い日でもあったから、この視程の短さは南の方から運び込まれた水蒸気だったかもしれない。

2021年8月8日(日)

H・W・ベイツ『アマゾン河の博物学者 普及版』(長沢純夫・大曾根静香訳、新思索社)を読み終えた。八月いっぱい掛かるかもと想定していたものの、予定より早めに読了。時を忘れる幸せな読書だった。もとより読破を目的には据えていなかったものの、好奇心を寄せていた南米の熱帯と博物学の栄華とを窓を覗くようにかじり読みするうち、いつしか終わりのページへ来ていた。本は楽しく取り組めるならそれでよく、内容の量もさして問題ではないのだな、と思う。この本そのものは、博物学が栄華を誇った時代のアマゾン河流域という宝物庫へ突進していった、英国出身の昆虫学者が過ごした十一年の記録。十九世紀は社会や科学技術が躍進著しく、言い換えれば変化が過酷な時代だったのだろうけれど、そうした文明の変動が辺境のアマゾン河流域にまで及んでいたことも、本を読み進めるうちに言及されるようになる。辺境の手つかずの自然と文明化の波とを一つの記録としてまとめたこの本は、(やや邪だけれど)創作を進めるうえで確実に自分の血肉になる、個人的に金鉱と呼べる本だった。Twitterでこの本へのリプライをいただいたおり、コンラッドの『闇の奥』という小説を教えていただいて、さっき岩波文庫の古本をポチったところ。次はなにを読もうかと本棚の前で迷う時間も楽しいものだから、それはあす以降に。春からめくっていた『ムーミン谷の夏まつり』は昨夜に読み終えた。それとともに、精神的な不調に陥っているあいだ『たのしいムーミン一家』がお留守になっていたから、まずはこれを八月後半に読み終えるペースで進めるつもり。そのタイミングでことしも『ムーミンパパ海へ行く』を開きたい。

2021年8月7日(土)

RAW現像を何枚か進めた。一枚あたりの編集に一時間以上かかるのは歩留まりが悪いね……編集履歴をコピーしてほかの現像の下敷きにしたり、多少は短縮しているつもりなんだけれど。ただ、こうした作業は苦にならない。本当はこうした衝動か習慣みたいな取り組みかたが、文章の創作へ発揮できたらと思う。たぶんそういうのは作業への慣れでしかないんだろう、ここの日記を書くことがそうであるように。冬明けごろに取り組んでいた書く作業もまた取り組めるようになりたい。リハビリしような。天気予報を見ると当面先まで雨がちらしい。あの暑かったおとといに写真を撮れたおかげでポストカードは印刷できた。

2021年8月6日(金)

『アマゾン河の博物学者』は残すところ一章まできた。ほどよいページ数だから、コンディションのよいとき一度に読んで浸るつもり。読破を目的に据えなければ、本は窓を覗くように楽しめるものだね。次はどの本を読もうかと思案する時間も楽しいことを知ってる。それは積ん読のほうが多く本棚に並んでいるからであり、それはそのまま好奇心の集積物だから。庭の照明の工事はいちおう完了したのだけれど、玄関前と庭の奥とを別個の系統に分けてもらうため、もうしばらく続く予定。

2021年8月5日(木)

長風呂してたら夜が明けてしまった。きのうは地元の城跡で久しぶりに写真を撮った。たぶん今夏いちばん暑い日だったのでは。なんでそんな日にというのは、ひとさまに送るポストカードを印刷するつもりで夏の朝の景色が欲しかったから。暑い日に撮った写真は暑さが写る(といい)と思う。