小雨の中、那須神社の例大祭を少しだけ見物。楼門前の濡れた太鼓橋で軽く滑ってしまった、恥ずかしい……。一緒にいた見物人は十名か十五名ってとこで、基本的にこのお祭りは観光客を当て込んだものではなく、地元の人たちが内輪で受け継いでいる、地域の伝統行事なんだろう。晴れたらもうちょい人が来たのかもね。祝詞やお囃子が聞こえてくる本殿の中では、浅葱の服を着た宮司の人たちが向かって左側に、来賓らしい地元の議員たちが向かって右側に座り、意外なくらいに奥行きのある中央正面の祭壇のほうへ、出たり入ったりしていた。なにかで見た予定ではそのあと、奉納の流鏑馬や太鼓や、獅子舞に子供相撲などがあるとのことだったけれど、すぐには濡れない程度の小雨が降っていたから、僕は程ほどにして引き上げた。帰り際に、境内の出店でうぐいす餡の大判焼きを買い食いしつつ、そのあと馬が走るだろう長い参道を歩いて帰った。