夕刻、叔父が今日か明日かという連絡を受けて、何名かが病室へ集まった。事前の説明によれば、叔父は今朝方にテレビや窓の外を見ようとしていたとか、いまは酸欠で朦朧としているかも、という話だったけれど、僕が側に立ったときの叔父は目をあちこちに動かしていた。大叔父が叔父の手をさすりながら優しい言葉を掛けている。僕は、怒っていてもしょうがないからなあ、というようなことを話し掛けた。その後、周囲の者同士でぼそぼそした会話が交わされ、叔母と従弟から「今日は来訪者が多かったから、本人は疲れているのかも知れない」という話が出て、大叔父や母と共に病院を出た。