夕暮れより散歩。満月が煌々と輝いていて、懐中電灯の灯りがなくても野辺を行ける明るさだった。仄かに浮かび上がる夕べの景色になにか柔らかいものを思う。復路に物の序ででとある用水路へ寄り道をする。竹藪の中へ注ぐその用水路には毎年、蛍が出る。今年はどうかなーと見に行ったところ、数匹の明かりが月光の中や竹藪の真っ暗闇に、ふわふわと点滅していた。ああ、今年もいいものを見られているのだなあ。蛍の黄緑色は思いがけないほど目に明るく映る。帰り道、うちの近くでも蛍が道を横切っていった。蛍が光を求めて人家の網戸にくっついていることはよくあることだから、わりとこのあたりの広範囲で見られるのかもね。