日がな一日ぬいと机の前で過ごした。表に日差しが照りつけるあいだは冷房を効かせ、積んでいた印象派の画集や世界の貝の写真集をめくったり、窓から木々の姿や流れる雲を眺めたり、くちなしの花をまた摘んできたり。日が落ちるころには夕餉を食み、そのあとはランプの灯りの前でのんびり。こんなふうに毎日を過ごしたいなあと思える、おだやかで心地のよい一日だった。とくに完璧というわけではなく、ネガティヴな思考はちらつくんだけれどさ。これは満たされていると呼ぶものだよ。壁に貼ってあるポストカード類のほかに、なにか飾る絵があるとよいな、なんて考えたりしてた。