2023年7月23日(日)

友だちがコロナに罹患したあと嗅覚障害になり、においをいっさい感じなくなったそう。少しばかり話を聞かせてもらった感じ、日常の楽しみや現実感が消失したようで、つらそう……。感染例を身のまわりから、しかも複数聞くのはこれまでにないことで、友だちから言われた逃げ切ってよねという言葉の通りでいたい。きょうの日中は暑さのためかぐったり眠りこけていた。夕方になって買い物へ出たり、菜園からトマト類やバジルを採ったり。日付も変わってから、もう一足の新しいサンダルを履いて夜の散歩へ。夏の夜はなんて快適なんだろ。うろうろするついでに、以前かぶと虫をたくさん見かけた木へ立ちよった。光を抑えて歩み寄り、懐中電灯をぱっと照らすと、木の幹にはどん引きするくらいかぶと虫や蝶やその他虫たちが群がっており、少したじろいだ。周囲には発酵した樹液と甲虫のにおいが漂い、足もとには殻だけになったかぶと虫の断片も転がっていたり。雑木林のビアホールというか、魔窟かな……。正直に言って写真を撮るために凝視するのもちょっと、という感じだったけれど、いまになり惜しいという気がしている。散歩する機会は折々にあるだろうからそのときに撮ればいいけれどさ。というか、散歩して通りすがったところどころに重たい羽音が聞こえてくる茂みがあり、たわむれに懐中電灯の光を差し込んでいたらすぐかぶと虫が光めがけて飛んできたりと、この辺りにかぶと虫はすっごくたくさんいるんだね。捕まえたりかごに入れて披露したりする気はないけれど、こんなにいたんだという意外な面白さはある。そういえばむかし、自分が夏休みになると巨大なかごにどっちゃりとクワガタやかぶと虫を捕まえて持ってきてくれる、親戚のおばちゃんがいたことを思い出した。おばちゃんは土地っ子で周りの山に詳しいひとだったから、ああした虫たちの集まる木ならいくらでも知っていたんだろうなあ。懐かしい。夏の夜は楽しく見るものも多く、夜通し出歩きたい。

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