スーパーで手に取ったいちじくが美味しくて、というかうまくて、ひとりで感動していた。瑞々しさとほのかな甘さに加え、花の香りのような味わいがする。ほかの果物とは美味しさのベクトルが全く別のほうを向いていながら、人の味覚を捉えて放さない。以前はこんなに美味しくびっくりするわけでもなく、祖父が畑の隅っこから採ってくれてもいまいちピンとこなかったのだった。そしてあの畑のいちじくは邪魔だからと祖父が伐ってしまった。ありがたさに気付いたときにはもういない、よくある後悔だなー。びわやいちじくは農家さんがよく敷地内に植える樹だけれど、その美味しさは大人になってから分かるもののように思う。
きょうの空は変化と動きに富んでいた。雲の下から雨の降っている様子が方々に見えたり、虹が出たり。刷毛で掃いたような雲も見えた。空の季節は目に見えて移り変わっていく。菊鉢へ植え替えたジャスミンの写真を友達に見せると「マツリカちゃん」と呼んでくれた。ので、僕もそちらの株をマツリカちゃんと呼ぶことに。Twitterの「ド嬢最新刊のムーミンの話に泣いた」というつぶやきを切っ掛けに、『バーナード嬢曰く。』五冊をこれから読み進めるつもり。