お盆も後半。宵のころに花火大会の音だけが聞こえてきて、そういえば少しばかりあるんだと思い出し、家の前で花火をした。ドラゴンとロケット花火に、回転しながら上昇するとんぼ花火が一袋ずつ。値段なりにすぐ終わってしまったり、上手く打ち上がらないものもあったけれど、いいものだなあと思う。火薬の匂いはいつまでも嗅いでいたくなる。上空で響く破裂音も余韻が気持ちいい。ひとりでやる花火なんてつらいだけと感じていた人生の時期を通り過ぎ、いまでは自意識や人目をさして気にせずに、好きなことを好きにやれるところまで来た。とても楽。花火で遊んだあとで近所をぐるっと散歩した。お盆期間中の田舎は人口が増え、気持ちも賑やかというか安心感がある。街灯が木の枝越しに路上へ投げかける光や自販機の照明、足下を照らすごく小さな明かり、それから紫電で星空を照らすかなとこ雲といった、誰もいない場所を照らすささやかな光源に、しっとりと優しい夜の雰囲気を感じながら歩いた。明朝は送り盆だから早めに眠る。ジャスミンは今夏二度目の花期が訪れたところ。さっき見たら白い花が二つほど開き、芳香を放っていた。