一匹のウマオイのすいーっちょん、という声が闇を満たしていた。
祖母と叔父の二重の初盆に兄弟で顔を出した。人が集まるから雑多な情報が飛び交うことは当然として、親戚の誰それが国境なき医師団に関わってるとか聞いて内心びびる。ひとりで勝手に思うことだけれど、面目ない気持ちはあるよ。
ソーラーパネル付きの夜間照明を二本ばかり、夜に人が通るようなうちの玄関前に突き刺しておいた。ホームセンターに積まれている量販タイプのもので、日の光さえ十分なら、自動で蓄電したり点ったりしてくれる。いま見ると、月明かりに紛れそうなLEDの光がぽつねんぽつねんと、歩道の縁の在処を照らしていた。目的を持っている自律した明かりというのは頼もしいものだなー。そういえば僕は灯台も好きだった。
明日から明後日にかけて台風が通り過ぎていくとか。悲しみのかたちをしていない悲しみがある、ということをいま考えていたら、それってScoobie Doのensembleじゃんと気付いて、微かに微笑む余地があった。