システムイメージとデータドライブを健全でいる外付けハードディスクへバックアップ、のち複製など。しばらくはたぶん、おそらく、大丈夫なんじゃないかな。
スケジュールを組むには重く、光磁気ディスクもオンラインストレージも頼りないから、『カネも後ろ盾もねえから猿みてえに必死で知恵つけなきゃやっていけねえ』ということであやしつつ運用している。
いざとなればこのアルミ筐体ひとつの中身が無事であればいいし、僕の記憶の不確かさは、黒鉛にまみれたノート大小三冊が物語っている。
システムが電気を食っているあいだ、暇を見つけては本棚に手入れなどしていた。そこへ猫がやってきて前脚をかける。ソラシドはとうとう読みかけのままとなり、次の冬までお預けだろう。妖狐伝義経千本桜を手にとって検索すると絶版マンガ図書館がトップに出て、彼女を放り四冊抜き出す。なんとひきこもりな雨降りの日。
桜の満開というのは七分咲きを指すらしい。八重や山桜は咲くのも散るのも遅いけれど、今年はどうだろ。八重桜の花はキャベツの味がするという文章を読み、庭のしだれ八重に目をつけた。遠景と雨が煙ったままだ。毎年どこかで桜のことを書く気がしている。