2010年10月11日(月)

家族でりんご狩りに行ってきた。市をまたいで三十分程度、長井りんご団地と呼ばれる地域へ。

今日は朝早くから自宅の庭掃除をしたりと慌ただしかった為、途中のコンビニで朝食を買い、市の西を流れる箒川の河川敷で一時休憩。河川敷の両端はススキとセイタカアワダチソウでいっぱいだった。看板が立っていて、ここから上流16.9kmに塩原ダムがあり……とある。僕らが目指しているのは寺山ダムの方向だったのでさして気にもとめなかったが、その看板の脇に小川が流れていてうぐいだか何だか魚が数多く泳いでいるのを見つけた。確かこの近くにはオオタカの保護区があったんじゃなかったかな。

長井りんご団地の一帯の各農家ではりんご栽培を柱とした兼業農家をやっていて、一本の道を入るとそこかしこにりんごの直売所がある。直売というからには朝摘みが喜ばれるのだろう、早朝でも辺りにはひとけが多く、彼方此方の売店に家族連れが集まっていた。販売のおばちゃん達も忙しなく試食用のりんごをむいている。

しばし迷ったのち、僕らは加藤農園というりんご狩りとその直売を行っている売店へ入った。りんごジュースやら何やらと一緒に今年の新米が売っていて30kg7500円。りんご狩りをしたい旨を伝えると、まず現在狩れるりんご三種類の品種を味見して、それから、という流れになった。紅玉、秋映、ジョナゴールドの三つが今の時期に狩れる品種だという。王林は酷暑の影響で二週間ほど先にならないと、らしい。んで、味の方。紅玉は身が締まっていて酸味も強い。僕好みだ。秋映は口当たりがよい。さっぱりしている。ジョナゴールドは先の二つを足して割った感じで、身が程よく柔らかい。結局紅玉を狩ることとなった。

りんご1 りんご2 りんご3りんご園の木は太くてごつごつしていた。紅玉は園の奥にあるという。行ってみるとしたたるような赤いりんごがたわわに実っていた。下の枝の方はすでに狩られていたらしく良さげな実が残っていなかったので、脚立を使って上の枝を探ることに。手のひら一杯の大きな赤いりんごをもぎ取った。数えること、十個。写真を撮ったりしながら園内をぶらついて、直売所のカウンターでお会計、1500円だった。端数はおまけ。

売店の駐車場の脇には濃い色をしたコスモスが茂っていた。風が吹いていて上手く写真に収められなかったが、ビビッドなピンクとチョコレート色をしたコスモスがりんごと山々を背景にして花盛りだ。隣ののぼりに「クール宅急便 りんご便」とあって、こんな需要もあるのか、そうだよな、遠方から来る観光客もいるんだな、とそんな事を思った。

次に向かったところは栃木県民の森方面。こちらには寺山ダムと、その支流につながる尚仁沢(しょうじんざわ)がある。尚仁沢の上流には尚仁沢湧水があり、これは名水百選の水源地の一つに数えられている。高地の冷涼な風を突っ切り曲がった道を上って行く。途中の道のりでツクツクボウシが季節を間違えたように鳴いていた。15分ほどで下流の駐車場に到着。小さな駐車場だが車で満席だ。案内板には、ここから遊歩道を1500米登ると湧水に至る、とある。高原山の山麓590mに位置し、山岳仏教の盛んな奈良時代には修験者はここの水で身を清めたことから精進転じて尚仁となったという。

僕ら一行は沢の下流から来たが、母によれば十何年前に来たときには上流から下ってすぐの位置に湧水があるルートもあったはずだとか。来てしまったものは仕方がないし、体を動かせとも言うので、1.5kmの山道を登っていくこととなった。途中までの道のりは舗装されていたが、手前にあるあずま屋を通り過ぎると、途端に岩と木の急な斜面が広がっている。しばらくして汗がにじんだ。よくもまあ昔の修験者達はこんなところに道を作ったものだ。思い切り大股でむき出しの階段を上り下りしてぜえぜえと息を吐く。途中で何人かとすれ違って挨拶。降りてくる方は息が軽い。湧水はどこまで行けばあるんだろうなあと思っていると看板に500m先、湧水、とあった。スクウェア 締め付ける蔓ともすると下ばかり見て歩きがちだが、木の根がスクウェアに交差している所を見つけてぱちり。そのとなりでは太い藤蔓か何かが木をぎゅうぎゅうに締め付けていた。

下りの夫婦連れに後どれくらいかと尋ねると5分程度だという。登り道ではそれ以上に感じたけれども、しばらくして親子連れやカップル達が散らばって一休みしている場所に出た。どこに湧水があるのだろうと辺りを見まわすと、あった。尚仁沢湧水岩の隙間からぼこぼこ水が湧き出している。一息ついて清水を手に掬い、ごくりごくりと飲む。うまい。汗をかいたのが良かったのか周囲の冷涼な空気と光がそうさせるのか、ひんやりとして爽やかな感じのする水だ。手頃な木の根を見つけて腰かけ、目の前に立っている看板を眺めた。……日量6万5千立方メートルを噴出し、四季を通じ湧水量は一定で水温は年平均11度と変化なく……昭和六十年七月二十二日環境庁より全国名水百選の一つとして選定された……とのこと。名前が変わる前の環境庁とあるとおり、看板には苔と落ち葉が積もっており、脇に朽ち果てたテーブルが一つ転がって、そこにいろんなきのこが地味に主張するように生えていた。

辺りはまだ緑濃く一面に苔むしている。座ってのんびりしていると溶け込んでしまいそうな空気だ。ときおり眩しく日差しが差し込み生き返るような気持ちがした。しかし座り込んだままでいるわけにもいかない。しばし休憩を取ったのち下山することにした。

下りは足も軽い。先ほどすれ違った夫婦連れがあと少しと言っていたがその通りだ。行きは40分ほどだったか、下りは30分と経たずに歩くことが出来た。半ばで沢が三方から集まって集合しているところがあり、緑と白の調和した様子が目に良く映えた。

ふもとの駐車場に着いて、熊出没注意と看板が立っているのを見つけた。確かにこの辺りは広葉樹も割合多く、以前近隣の八方ヶ原で角の生えていない鹿を見た事やその仲間のふんを見掛けたこともある。秋口には熊も出るかも知れない。休憩を入れてから山を下りた。もう一度来るときには真っ赤に色づいていることだろう。ネット上の書き込みで茶臼岳の頂上は紅葉が始まっている、と言うのを見掛けたが、高原山や八方ヶ原はあとどれくらいだろう。

昼下がりの帰り足、塩谷町から各方面に出でる交差点で、宇都宮方面の道路が延々と渋滞しているのを見掛けた。三連休最後の日だからなあ。これからの紅葉シーズンはもっと混むだろう。一応は首都圏から日帰りで秋を楽しめる距離だしね。日光や那須に比べれば今いちマイナーではあるけれど、塩谷や八方も近年訪れる人が増えた。これからも身近にお山と親しめる地元であって欲しい。

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