2020年9月7日(月)

台風は大陸へと向かっていった。庭からはアオマツムシの声が大きな層となって聞こえてくる。夜の気温は比較的過ごしやすいところまで下がってきた。窓のサッシへカメムシの忌避剤を塗布する作業は、例年通り九月中に済ませる予定。

2020年9月6日(日)

『カサブランカ』観た。美しいと評されるモロッコの街が題名なために気になった映画。なんだろ、よく分からないなーと思いながら(ちょっと眠くなりつつ)物語を追っていた。「昨日はどこに?」「そんな昔のことは覚えてない」「今夜会える?」「そんな先のことは分からない」というやりとりがばちっと痺れる。検索してみたら、「君の瞳に乾杯」というせりふはこの映画がオリジナルらしい。濫用された感のある言葉だけれど、劇中ではごくさりげなく発せられていた。視聴後にWikipediaであらすじを追い、こんなかっこいい話だったのかとびっくり。もう一度観たらほかの感想を持つのかも知れない。カサブランカの街の風景に興味があったから、そこに関してはカラーならと思った。

2020年9月5日(土)

道の駅ではフリーマーケットが再開されたようで、広場にまばらな露店を見かけた。夏の暑さを過ぎて出店しやすくなったのかも知れない。ふらーっと覗いて回った。間隔を開けるなどの疫病対策はできるだろうし、フリマは生活圏に戻ってきて欲しい楽しみの一つ。台風前に出かけておきたい心理があるのか、道の駅にはそれなりの人出があったように思う。そのあとスーパーに立ち寄って買い物をしていると、雷鳴とともに採光が暗くなり、にわかに夕立が来そうに思われた。軽く雨に降られながらも雨雲の下から離れ、帰着。

2020年9月4日(金)

通院。前回のこちらの提案に沿って処方を減らしてもらった。薬局での受け渡しの際、頑張って飲み続けてみてくださいね、と薬剤師さんから言われた。こうした言葉に気付けるようになってみるとありがたいなと思う。『きっと、うまくいく』を観た。癖は強いがランチョーよ、おまえはいいやつだ……。インドの名門大学を舞台に、三人の友情と教育問題への批判が繰り広げられる映画。観てよかった。勧善懲悪の強度やこの作品を流れる未来への信頼は、この国が持つ姿勢でもあるんだろうか。台風10号は月曜に九州へ接近するとのことで、危険だから安全を最優先にとの呼びかけが方々から流れてきた。

2020年9月3日(木)

星野源は聞きやすくて歌そのものもよいなあ。すでに手元にあるシングル『いくつかの空』『Trust my feelings』のMVが葬送や死に関連していたために、柴咲コウというひとはそうしたテーマで歌うのだろうかと思っていた。今回ベストアルバムを聞いたことで先入観はほどけたかも。ASIAN KUNG-FU GENERATIONにはおどろおどろしいイメージを持っていたけれど、思いのほか聞きやすくてすっと入ってくる。

上の写真はいつ撮ったものか定かでないけれど、編集してみたら雰囲気が出て気に入った一枚。

2020年9月2日(水)

『マトリックス』と『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』を観た。マトリックスは随所に攻殻の影響が見て取れた。ネオの「この結末をここで語るつもりはない」というような独白で物語は幕を閉じたけれど、これって「続く」という意味だろうか。マトリックス2があるのん? 検索したらあるぽい。それとなく始まってなし崩し的に物語へ没入していくマトリックスの導入には、仮想現実をなんとなく受け入れてしまっている培養槽の人々の意識のようなものを感じた。「私は本当に私だろうか/私が感じるものごとは本物だろうか」といったことがテーマなのかなと思った。疑いの視点を持ってしまったらこの現実を元と同じように見ることはできないっていうの、以前に別の作品でも触れた気がする。『トゥルーマン・ショー』だ。あちらは仮想現実ではなかったけれど、誰かが作り上げた世界の中で自分のものではない生を生かされる点は同じだった。『ちくま』にずばりこれらの映画に言及したコラムが載っていたなあ、と思い出して雑誌を漁っていた。2017年12月No.561の戸田山和久さん「飛び出せ教養9」に見つけた。「プラトンは我々の無知、自分が無知だと気付いていないほど無知な状態、『知らぬが仏』状態を洞窟に喩えた。」とか……この記事というか連載自体が面白くてこうして読みふけってしまうけれど、真理を希求する態度を持って(恐れずに勇気を持って)賢くあろうぜ、という感じの内容だった。映画の感想から脱線したな。

『シッダルタ』を読んでいるところ。創作のネタ出しをする中で、世界への祝福の顕れについて書かれた本が知りたくなったのだった。そのへんがテーマかなと思う本はほかにワーズワース詩集。詩の世界でならそうしたテーマは見つけやすいのかも知れない。

2020年9月1日(火)

九月入り。唐突に、またたび酒でも漬けたものだろうかと考え始めた。ほんと唐突だな……。道路沿いにまたたびの実る場所があるから、人目を気にしなければふらっと行ってもほどほどに収穫ができそう。虫えい(アブラムシによって変形した実、薬効が高いとされる)の落果し始めるシーズンが今ごろという文章をなんかの弾みで読み、野外へ出かける理由を探していた折、これではどうだろうかと思ったのだった。するとしてもなにかのついでに。博物画の放出セールが30日にオンラインで開かれていたことをいま思い出した。気に入ったものがあれば壁に飾ろうと思って開催時刻をメモしてたのだけれども。知らない音楽に触れたい周期が来ており、往時のベストアルバムやひとさまのおすすめを中古CDで漁っているところ。

2020年8月31日(月)

午後より雨。洋上の台風9号は九州へ近づいてから大陸のほうへ進むらしく、十日予報を見ると雨雲はしばらく掛かり続けそう。10号候補は九州/四国へ上陸しそうな予測を見かけた。台風はこれまでの発生数の少なさを補うようにやってきては、季節の巡りを促していくのだろうなあ。きょうの風は植物と地面の蒸れた匂いがなくなり、明らかに秋の爽やかな透明感を持っていた。ムーミンの取り上げかた目当てに手に取ったバーナード嬢曰くは五巻まで読み終えた。初め頼りなかったド嬢こと町田さわ子がこの作品ごと成長しているような。いい漫画だった。

2020年8月29日(土)

データ置き場を漁って祖父母や猫の写真をLightroomから書き出していた。あとで母が遺影や手に取れる写真にするため、町の写真屋さんへ持ち込むとのこと。思いのほか写りのよい写真が触られもせずに埋もれてる。ラジアンFの寝不足が影響したのか、夕方に芝刈りをしていて軽いめまいがした。早いとこお布団へ行くのがよかろう。