2017年10月8日(日)

平地と山林の境界なんかを観察して周り、三葉系あけびと五葉系あけびの蔓を山取りした。そのついでに農業用水路の落ち込みを覗いて、おそらくニジマスの影がさっと動く様子を確認し、釣りをするなら今年はここが良いなととっさの目星を付ける。マタタビの樹勢はあーこれ系ねと頷けるものがあり、たわわなその実の使い道をちらと考えはするけれど、うちの猫がマタタビに弱いため本気で乗り出したりはしない。その後は商店や直売所を見てまわり、フリマや香木の展示を眺めた。老人男性らの一行が凄まじい勢いで鮎を買い求めていた。

つまるところなにかしていただけで過ぎ去った日だった。

2017年10月7日(土)

2019年に平成ムーミンの次となる、ムーミンアニメの新作が放映されるそう。海外製作で初めっから国際色が強い、という情報が流れ着いているだけなため、日本語の公式を視野に入れておく。

2017年10月6日(金)

児童書籍は価値観の衝突が激しい、大人の戦さ場だと思ってる。その畑で賢者ならまことに賢者。

たばこ止めると言い出したらすぱっと止める様子は父にそっくり、という趣旨のことを昨日、身内から言われた。距離を置くと却って喫煙への美学は尖る気がしていて、拘りを捨てるための労力は禁煙とまた別に見積もる必要があるようだ。おそらくはもっと違う対象へ価値観の重心を移すことで、この内心の見栄を払拭できるはず。

夕暮れのマジックアワーやブルーモーメントは、風景の中に落ち着いて行く息遣いがあって、あの青と灰色とオレンジの色合いがしみじみと良いものだね。

2017年9月30日(土)

昼下がりにJAXAさんからの手紙が届いた。やっと来たかあと馬鹿丁寧に封を開くと、超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の名付け親認定証に、つばめの刺繍入りキーホルダーが同封されていた。今年五月末のキャンペーンで衛星二機に愛称を応募したものだ。こういった催しを通じて自分も宇宙開発に参加出来たり、その未来を垣間見ていて、そのお陰で日々の生活に小さな希望の火が灯っている、と言ったら大げさかもしれない。

新聞に今年の米の収量が例年並みと載っていたのだけど、栃木県は不作で全国最下位とも書かれていた。平年を100として今年は93。そういえば八月の日照時間が例年の半分、なんてここに書き付けていたっけ。

それから奥日光で昨日の朝、初霜初氷を観測したとのことだった。ここでも明け方に十度以下まで冷え込んだから、今後は季節の巡りは早まるのだろうなあ。

2017年9月29日(金)

クラフト・エヴィング商會関連の情報を珍しくFacebookから仕入れていた。吉田篤弘のオンライン連載は現在、角川春樹事務所で「おやすみ、東京」と食楽webの「月とコーヒー」が進行中。単行本としては「京都で考えた」が十月二十日に刊行予定とあり、こちらは作品群の舞台袖らしきお品書きだった。

ありふれた話として、本の手入れは壁のヤニ落としや模様替えに発展している最中だ。週末は行楽日和なんて言葉を聴いて目が若干濁るのを感じる。好き好んで取り散らかしてるのは仕方がないので、これを今年の大掃除と位置づけることで主体を保ちたい。

喫煙を止めておおよそ一ヶ月が、ニコチン摂取を止めてからは二週間が経過した。意味の無さそうな節目でもこうして文字に起こすと慰められるもので、先の見通せる道を行くことが大切なのだなあと思う。離脱症状はおそらく現在がピーク。

2017年9月28日(木)

ライフゲージが上手く回復しているときは手の込んだ掃除をするみたいで、あと一月もすれば暖房器具の出番だからと、積ん読を整理してストーブの置けるスペースを作り始めた。照明も、机の真上から照らせるものがひとつ欲しい。

筑摩書房のPR誌「ちくま」の9月号を見本誌で取り寄せたものがただ今、目の前に置いてある。クラフト・エヴィング商會の主要な活動場所の一つがちくまのようだ、とあたりをつけてみていたもので、届いた雑誌を広げてすぐ「イラストレーション/クラフト・エヴィング商會」の文字が視界に飛び込んできた。うし。商會目当てで「ちくま」をしばらく読んでみる。この購読料でこの質と量の文章を読めるというのは、商會を抜きにしてもかなりスゴい事だなー。

雑誌つながりで良い機会だから「本の雑誌」も目を通しておきたい。これは椎名誠やあやしい探検隊の顔ぶれが創立に関わっているとのことで、存在を知って以来気になっている。自分の傾向的に講談社は馴染みがあるから、その辺も。

あ、まずい。小冊子蒐集は狂うほど楽しくて盛り上がるから、アームチェアトラベリングの趣味と一緒に封印してたんだ。海外の観光パンフなどはお気に入りをベッドサイドに立ててあって、特にフィンランド政府観光局の「トラベルノート」は手がけた人物の人柄が伝わってくるようで、今なおお気に入りとなっている。話が脱線した。

とりあえずだね、書店へ行くことがあればPR誌は見せてもらうことにして、冒頭で書いた書籍の整頓に道筋を付けたい。初夏の騒がしい闇には無かった味わい深さを、なにかしつつ過ごす夜長から受け取っている。

2017年9月27日(水)

ハタチくらいによく聴いていたKyoto Jazz Massive(KJM)が、新たに「Kyoto Jazz Sextet」として生まれ変わっていたことを知った。二年ほど前からだってさ。視聴したりインタビュー記事でコンセプトを読んでいるけれど、KJMがわりと取り留めなくジャンルの垣根を越えて自由な音楽活動をしていたのに対し、こちらKyoto Jazz SextetはKJMから前進し、最新のストレートなジャズを日本人が組んでやるよ、ということのようだ。

へー……一応聞き慣れているKJMの後継なら、ジャズ音楽への取っ掛かりに手頃かも知れない。あとでしっかり聴いてみることにした。

あと、いま借りているポケットサーバーは使い心地が微妙だったりレンタル代が嵩張ったりで、近くXREAへ帰ることにする。

来年用の手帳を使えるようにしておいた。メモを取るならアナログな方が自分の性に合ってる。

品種不明なあけびを近所の薮に見つけて、まずは一つめ。

2017年9月26日(火)

叔父と道の駅を回ったり、栗や栃の実を拾ったり。市街のあちこちから金木犀が風に乗って香る。

数年前から細々と思っていることの一つに、あけびを育てることがある。果実が緑色のものと紫になるものの二種類があるようで、僕が考えているのは後者のあけびだ。……育て方を検索すると自家不結実性とのこと。てことは、野山で採取した苗をただ育てても意味がない。小葉が五枚のアケビと三枚のミツバアケビを混植する必要があるから、路傍や切り通しの明るい薮を観察することに決めた。運が良ければ果実からの取り蒔きも出来るし、気の長い話ではあるけれど、いずれはあけびの実を安定して収穫出来るようにしたい。