朝のうちは小雨だったためお仕事はお休みの連絡を入れ、一日じゅう仔猫の相手をしたり本を読んだり。『レジリエンスを育む ポリヴェーガル理論による発達性トラウマの治癒』を読み終えた。実践のための手立ては明瞭豊富として、これ、当事者ではなく臨床家向けの手引きだね。。。当然のようにひとりではできないアプローチについてもいろいろ述べられており、それはまあよいのだけれど、大人になった当事者が我が身をなんとかするための書籍っていうのはどちらかというと多くはないのか、それは筋の悪いことなのか。それから、調整という概念の重要性に一章を割いているわりにはその言葉に明瞭な定義がないのはどういった意図なんだろ。個人的に重要そうなキーワードは交感神経系、腹側迷走神経系、背側迷走神経系/内受容感覚/ナラティヴ/偽りの耐性の窓/LOC/「恥」の体験/調整、あたり。大雑把に拾った指針としては、生き延びるための必死の努力はもう完了させてよいのだ、自己防衛反応を手放し安全感覚を手に入れようということ、まずは安全と継続性に焦点を当てること、活性化した各自律神経系を適切なレンジへ調整する取り組みが耐性の窓を拡張する鍵であり、そのために内受容感覚を洗練させること、重要キーワード「対処できる」、新たなナラティヴを創り出し変えてもいけるようになること、「もし安全を感じたとしたら、なぜそうだと分かりますか?」という問いの大切さ、など。もっとたくさんのことが書かれているのだけれど、そこは念入りにマーカーを引いたし必要に応じて再読するからよいよ。たぶんじぶんは各自律神経系が最適な覚醒領域から外れた状態な「偽りの耐性の窓」におり、おそらくまだほんとうの落ち着きや穏やかさを感じられていないのだと思う。こうした場合の一般的な傾向としては背側迷走神経系優位の状態が慢性化しており、それを基調に自律神経系が相互活性や相互抑制を起こすとのこと。じゃあその優位を低いトーンへ誘うにはというと、セラピストとの協働が前提ではあるのだけれど……過剰な刺激を減らし安全/安心な環境のなかで防衛を解き、落ち着く感覚を味わうところから始め、次第に腹側迷走神経系優位な状況を増やしていく。この過程ではやはり健全で正確な内受容感覚を養うこと/身体を感じる体験/興味を持って感覚を探求することが大切で、たとえばどんな感覚が楽しいか、好きか、といったことを探るとよいそう。まとめていると際限がなくなりそうだからこのへんでいったん切り上げ。そういえば本を読みながら、腕に寄りかかってあたまを掻かれるまま気持ちよさそうにしている仔猫を前に、なぜだかこちらも温かな感じがしてほほ笑んだのだった。仔猫の感じているリラックスにこちらの身体も同調したような、そんな感じ。たぶんじぶんは仔猫から教わることがあるんだと思う。