目が覚めるとうっすら雪が積もっていた。通院や買い物、掃除をこなしたりと忙しかった日。実写版デビルマンを観た。原作を知らないまま摂取したからそちらのニュアンスは取りこぼしているかもしれないのだけれど、人の悪意についてはどうしようもなく庇いがたい一方で、もしかしたらそれだけではないかもしれず、人間はダメとすぱっと言い切れたら楽なんだけれどなーと思う。でも作品の九割方の含意はやはり、社会とともにすりつぶされることであふれ出す人の悪意、そのディティールなのだよな……。人の顔と名前を覚えづらいたちなのだけれど、それでもこの人はどこかで知ってる/見たことがあるという顔をそれなりに見かけた。正直にいうと、まことしやかに流布していた前評判よりもよかった。伝えたいものを受け取れた気がする、観てよかったと思う作品だった。もうきのうになるけれど、父の命日だった。きょうは雨水。融けてぼたぼた滴る雪解け水が、耳に温かい。