髪を切ってさっぱり。目を付けていた場所の一つでとうとうアミガサタケを見つけた。木立に囲まれイチョウが生える境内の焚き火跡、のすぐ近く。地面は固めで比較的露出しており、それほど管理されておらずにヤエムグラや苔が生えていた。どこだったかアミガサタケの記事に「すみれがそばに生えていたりする」とあったように思うけれど、環境はそんな感じかもしれない。陰か陽かで言えば陰の雰囲気がある場所で、地面は下草に覆われきっていない、ということなのでは。これでアミガサタケの出てくる環境が多少なりイメージできそうだ。ただ、僕の見つけた個体はイエローモレルというタイプだと思うのだけれど、これは枯れ葉の色に紛れて探しにくいことこの上ないなと思う。今回は「こうした場所/この時期なら生えているはず」という前提でしゃがみながら目を凝らしていたら、運よく目に入ってきた。とりあえず大きいほうをひとつ採ったから、あとでどんな味か確かめてみたい。あすあさっての雨でまた生えてくることを期待しているけれど、あまりに採ってしまうと蒔くべき胞子をきのこが作れなさそうだ。おととしと去年の春はアミガサタケ探しが空振りに終わっていただけに、こうしてやっと目的のきのこに出会えたときは、じんわりと高まるうれしさがあった。こうしたはかない構造物が、自然の摂理を示すように人知れず土中から姿を現すことに、ありていな表現だけれど生きものの営みへの驚きや不思議さを感じる。