昭文社の世界地図帳から創作に使いたい地名をピックアップ。こちらは帝国書院の新詳高等地図よりも地名が細かく載っており、もっか重宝してる。長いこと本棚の肥やしだったのが、ここへ来てやっと日の目を浴びた感じだ。本の価値っていうのは紐解かれるまで塩漬けにできるかどうかにあるんじゃないだろうか。『ムーミンパパ海へ行く』は作中のエンディングと同じ十月三日に読み終える予定でいたのだけれど、じつはまだ読みさしにしてる。読書ってどのみち自己満足だしね。そちらを読み終えたら、例によって『ムーミン谷の十一月』から『ムーミン谷の冬』へ渡り歩く予定。『海』の中盤でママが放った「やけにおもしろいぞ」というあの悪い言葉は、ああした状況で言い換えるなら「くそつまんねー」くらいのニュアンスなのだろうと思う。そうだとすると、あの時点でママはもうかなり心をやられていたことになるのだけれども。ムーミンママは自己主張が強いくせにそれが表立って表れにくく、やるべきことを取り上げられると簡単にやつれる。家族の再生が一つのテーマになっている『海』で、ママのそうした揺らぎというか不安定さがどこで解決されたのかというと、作中では「だんだんに気が大きくなってきて、りんごの木の後ろに隠れたりしなくなった」のあたりなのだけれども。ムーミン作品の特徴な「貸し借りの関係なく場の流れと自分の力で解決」が介在したとすれば、ママは創作活動を通じて自己治療しました、っていうことになる。身も蓋もない気がするので、もう少し掘り下げる余地はないだろうか。季節の移ろいにあわせてムーミンを読めることに、震えるような喜びを感じる。ベネディクティンDOMは薬草くさくてちびちび舐めるのに向いている。甘くておいしい。部屋のなかにいるすいかずらはいまも花を咲かせ、甘く鋭い香りを漂わせているけれど、よく見ると粉を吹いたような葉ダニの姿が目に入る。そちらとは同居したくないのであとで殺ダニ剤を使うつもり。