2020年10月31日(土)

ラジアンFからの(時間的に)午睡。椎名誠の雑魚釣り隊の本を読む。長いこと先の見えない暗闇をさまよい、やっと暖かい日の光の下に出てほっとしていたら、さらに広い夕暮れの草原へ道は続いていて、空の色の移ろいやあたりを吹き渡っていく風や草のにおいが地上の果てまで続いていると知る、そうと望めば広い世界のどこへにも行ける、そうしたしみじみと心の中を広がっていく現実への感動は、迷い続けた者がいちばんよく知っているんだろう。ただそれだけの実感のために支払う代償はあまりにも大きいのだけれど、この世界の驚異を受け止め、生きていることへの喜びを受け止める誰かが、例え歴史やかたちには残らないとしても、世界への敬意を払う主体として地上のどこかにいて、そのありのままを見届けるべきなんだと思う。

いつも何度でも / 木村弓

去年の五月の暑い日にフリマで発掘したシングルCDの曲。この歌の歌詞にほろほろと涙がこぼれる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です