強風。晴れた空の下、那須連山は完全に消失していた。その雪嵐はまるで、冬の終わりに山々を分捕っていこうと咆哮する白い獣のようだった。遅い時間に道の駅へ出掛けてフリーマーケットをざっと覗く。広場を抜ける強風を避け、建物の陰に設営しているお店がいくつか。石油ランプのほか、このごろはガラスの花瓶も探してる。机の上に活けているあのかき菜のおかげで、花を飾るのもいいかもね、と思えてきたのだった。欲しいものは気長に探すと案外見つかるもので、ちょうどいいかたちの石油ランプをこのフリマでお持ち帰りしたことがある。花瓶ものんびり探すつもり。最近は氷点下になる日が減ってきて、夜風には緩やかな気配が混じってきた。三月の夜には蛍光灯、四月の夜はろうそくの灯の印象がある。