那珂川河畔公園の湿地は高地の半草原に似ていた。
夕方に訪れたらいさまは南下してなお大雨を降らせている様子。現在、しとしとと降る雨の向こうで、雷鳴が低く伝わってくる。
喪った猫サキのことを日に数度は思い出すのだけれど、日々の些事を追う毎に、穏和な記憶として呼び戻すことが出来つつあるように思う。一方で僕は僅かな物音や空いた空間に反応しがちで、その不在にまだ慣れそうにはない。
文字系創作は未だ手に付かずにおり、さび付いたハンドルに力を込めるような徒労と、ごくわずかずつ搾り取っている文章への親しみを、同時に感じる。大切なのは好きを手放さないこと、のはず。
そして今季初の梨は瑞々しかった。