美術館の駐車場を手入れしていると家族連れらしい幾名ものお客さんがきて、集合写真を撮ってほしいと頼まれた。映りのよい場所へご案内してコンデジで二枚ほど。満足していただけて、こんなときには写真慣れしていてよかったと思う。喫煙所を訊ねられ、ありませんがここで作業してますから吸い殻はこちらで始末しますよ、と答えると、親子ふたりがそのあたりでしばらくのんびりしていた。娘さんの持ってこられた吸い殻に見覚えがあってアークロイヤルですかと訊ねるとそうで、しばらくその話に。じぶんもかつてアークのワイルドカードを喫っていたから、アーク飲みには親近感というか仲間意識があるんだよね。うれしかったな。仕事帰りにギャラリーへ寄ると新たな展示が行われていた。そちらをのんびり眺めてから、ギャラリーのご主人に作家協会へ入会したいが事務局と連絡がつかない旨をお話しした。担当の方が営まれているお店を教えていただく。すぐ近場の手作りソーセージやハムなどのお店だった。仕事帰りにいつでも立ち寄りなさい、と声をかけていただいた。そしてお店へ向かい、そこで事務局担当のKさんにご挨拶して説明をいただき、来春4月あたりにある総会のタイミングでお試し入会という流れに。ルールでは会員二名からの推薦が必要とのことだったのだけれど、あなたの作品は協会展で居合わせたいろいろなひとが興味を持って見ましたからだいじょうぶでしょう、とのこと。そのあとKさんとその娘さんのアトリエを拝見したり、庭を案内していただいたり。高原らしく美しい林が広がるところだった。お店のソーセージやサラミをいくつか購入し、帰途。うん、なんというか、流れに乗っている感じがする。どこへ向かうか分からないけれど、たぶん知らないところへ。美術館とご縁があったことで偶然そのギャラリーを知り、そこを起点に作家さんがたのネットワークへ入れそうなわけなんだよね。そしてきょう拠点もできた。なんだか思い出すのは、病で途切れた大学のサークルや社会人サークルのこと。知らない人々が集まる場にじぶんも加わるのってそれ以来のようで、人生第二部で伏線回収のような思いがけない変奏を味わっている感じ。この冬は回復を大事にしよう。ことしがそうだったように、春になったらまたいろいろ動き出すはず。
