午前中にバイク屋さんから電話がきて、見てみたもののエンジンを直すとなると伝えたよりも費用がかかる、ということを説明していただいた。それからあきれた感じで、「エンジンオイルの整備ですがひどいもんですよ、オイルの品質もまるで粗悪だし。エンジン故障のタイミングにしたってオイル交換の直後なんでしょう?」と言われた。この方は事情を知らないから、その感想はあるていど公平なのかなと思う。自分はひとを怒鳴りつけたことに若干の後ろめたさを感じていたけれど、結果的にはむしろ言葉で済ませただけ紳士的対応だった、ということに。あのおっさんはおそらくメンテナンスのたびこうしたしょうもない悪意を粗末なオイルとともに注いでいたわけで、どう見ても最初から最後まで彼の所業です。本当にありがとうございました。そうしたことを働いておいて「俺は悪くない」と保身をむき出しにする人って惨めさとどう向き合っているんだろうと思ったら、怒りは軽蔑と憐憫に変わってきて、たいへん気持ちが軽い。まだ気は立っているけれどこの件は思いのほか楽に手放せそうだ。けさの問い合わせには早めに回答がきて、メールでやりとりを交わした結果、車両注文の最終確認あたりまで話が進んだ。滞りなくいけば水曜に納車までこぎ着けられる。故障した原付については、バイク屋さんのほうでオプションパーツを外したうえ、廃車としていただくことになった。あー、なんか状況の想定外ぶりによく分からなさがあるよ。船のうえで揺られているなんて実感が湧かないとか出発前には書いたのに、謎に起きた致命的なトラブルをさらに強引にカバーしようとしててなんなの。旅に出る前から波瀾万丈ではと思ったらすこし笑えたから、意外にも余裕はあるみたいだ。ひとまず待ちの時間はぬいたちと過ごすことにして、再出発まで気楽にしていよう。友だちからは「怒りを感じとれて表にも出せるようになったのは進歩どころか進化」と言われており、戸惑いから踏み出したような気がしてる。ムーミンでいうならパパのしっぽに噛みついたニンニ。