午前のみ通所。そのあとはディープなビール屋やスーパーを巡り帰途へ。宵のころから風が立ち、北風はざわざわと落ち着かずに吹き荒れた。こうしたときには風が遠い街の気配を連れてきてくれるように思う。その街郭の灯りや旧い市街の響きまでもを、この窓辺へと誘ってくれるかのよう。秋の夜のざわめきはひとことで言うなら懐かしさと予感、そして眼差しでできている。この先のふたつは切り離せないもので、いまここに立ち過去と未来を往還しているとき、「あぐねている」「戸惑い」「不安と期待」、そうしたものが冷える風のなか襟の内側に吐息とともに温められている。そして眼差しというのは過去からと未来へのそれ。きっといつかこの暗く冷える夜を、愛おしく懐かしむときがくるから、例え迷おうとも安心して迷ってだいじょうぶ。「迷い探し続ける日々が 答えになること 僕は知ってるから」という歌の言葉にあいかわらず励まされたんだった。今宵はほどよいところでおふとんへ。