2023年8月16日(水)

送り盆の日は自分は特になにもせず。朝のうちに産直でゴーヤやピーマンなどを見繕う。ごんぶとのゴーヤが軒並み百円といううれしさ。それから市の反対側にある模型屋さんへ向かい、店頭で各種ばら売りされている花火をあれこれ選ぶ。模型屋さんの店先でこういうことをするのって二十年以上ぶりと言っていいんじゃないだろうか。ドラゴンや十変色すすきなど、懐かしい花火たちが健在だった。いまだから分かることだけれど、小学生までの自分はこういうのをたくさん買い与えてもらえる立場だったんだなと、当時の近所の友だちのことも振り返りながら、すこし切なく思う。ひとりで楽しむぶんだけでいいんだよね~と吟味して花火をかごに入れ、模型屋さんの店内もうろうろしたのち、お会計。店主のご老人はこれはおまけですと、手持ち花火の小さなセットを紙袋へ入れてくださった。プラモデルやラジコン類のパーツが主と、おもちゃ屋さんとしては品揃えが硬派な感じのお店に見えた。採算が取れているのか気がかりなところだけれど、そうしたことをしてくださるのは、お客の楽しむ様子をあちらも楽しみにしているからなんじゃないかな、と思う。すっかり日が落ちたころ、市内二カ所から花火大会の音が届くのを聞きつつ、缶ビール片手におひとりさまで花火をして遊んだ。火薬の匂いは古い記憶がよみがえるようでたまんない……。よそさまからロケット花火の炸裂音を聞くと「おお、やっているなー」とわけもなく感慨が湧くものだけれど、自分でするのも楽しいことだね。あっという間に燃え尽きる花火の美しい炎に魅入ってしまうのは、魅了されるあいだは時間なんて問題ではなくなるからなのだろうと思う。花火から吹き出す炎の輝きはほんとうに綺麗で、ずっと見ていたくなる。光や音や匂いをひととおり楽しんで、締めは線香花火のスボ手牡丹。やっぱりねえ、このはじけるように飛びだす炎の移ろいがしみじみするよ。花火大会の音が聞こえなくなるころこちらも遊び終え、庭でしばし過ごしたのち撤収。楽しい日だった。

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