各地でとうとう桜の開花が始まったそう。祖父宅の土手から野蒜と菜の花を取ってきて夕餉とした。『パーマネント・バケーション』観た。これはこうでしょみたいな結論は出てこないまま、映像の洗練された感じを綺麗だなーと思った。根無し草な若者の孤独が断片的に映し出されるのだけれど、それらは誰かに理解されるとか交流して痕跡を残すということがないまま、川べりを流れる木の葉のように、すっと立ち去っていく。僕が二十歳のころにこの作品と出会っていれば、この流れゆくような、抗うには慣れと諦めしかないような、どうしようもなくただそうであるという孤独に、共感できたのかもしれない。監督ジム・ジャームッシュという人物の作品リストを見ると『コーヒー&シガレッツ』の人だった。あーそうか、この二つの作品には結びつくものがあるかも。あとでまたこの人の別の作品を観てみたいと思った。きょうは庭の作業も書くことにも無力感があり、ひとつも着手できずにいた。