2020年5月31日(日)

夕方になり、すいかずら/ロニセラの’グラハムトーマス’が咲き始めた。香水のような強さと鋭さを持つ、とても甘くて酸味のある香り。記憶にあるのはくちなしのような底しれない甘さだったから、こうして嗅いでみて、酸っぱさも多く含むことが少し意外だった。芳香剤らしさもあるけれど、それはしばらく忘れる。よくうちへきて咲いてくれた。

道の駅で見つけたオカヒジキをさっと湯がいてお浸しにし、めんつゆで食べるのが美味しかった。歯切れはよく癖はなく、マメ科のような旨味を感じる。こんなものが農家さんの庭先では雑草のように生えてるとか。一年じゅう食べていたい。直売所へ立ち寄ったついでに周辺をうろついて、バイオームの図鑑に登録できそうな、名を知っている生きものを探した。たぶん、知らない生きものを調べて分類することがこのアプリでの楽しみだと思うのだけれど、初期ボーナスってことで。という割にはあっさり、知っているものと知らないものとの境界が可視化されそうで、自然は好きだよと得意がってた自分が少し恥ずかしくもある……。楽しくやればいいと思うよ。久石譲氏の『RAKUEN/MALDIVES』というCDをお気楽なBGMのつもりで手に入れたら、聴いていて時間の概念が溶けるようなよく分からない怖さがあり、慣れるまで二年要した(最近慣れた)。自分のことを考えるとき、なにかしら未来の片鱗はすでに身近にあるということを、どんな詩を手に取ったものか迷っていて思う。それは都合のいい後からの解釈なのかもしれないけれど、少なくとも出来事を意味あるものとして受け取ることはできる。ワーズワースの詩集を読まないわりには長いこと手放さず積んでいた。きっとこれはいま必要なものだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です