友達だと思っていた人が、疑う心や検証すべき知識を持たず、分かりやすく刺激的な情報を求めるあまりに、ネットのデマや陰謀、ほのめかしで自身の価値観を染め上げていくのを知ることは、とてもつらい。会ったり話したりすればそうした根拠の飛躍した話をごく一方的に放つようになり、ああこの人の言葉に耳を傾けたくないなあという、冷たい気持ちがこちらに沈殿していく。ただ、本人にしてみれば、古い知合いが去る代わりに新しい仲間が出来るだろうし、思うがままに語りその都度彼らから肯定されることで、存外に幸せかもね。本人が申し述べていたアスペルガー症候群という切り口でどうにかならないかと本を読んだりもしたけれど、今まさに独自の理論で自分自身を教育している人を外野が変えられるものではない、という当り前の結論に辿り着いた。出来ればこの件にはもう言及したくない。
近所の農家さん宅のビニールハウスから流れてくる、ふすまか米ぬかを蒸すもくもくした匂いに、冬を感じる。毎年ここで同じことを書いているけれど、この辺りはしいたけ栽培が盛んだから、あの匂いは培地を用意してるんだろね。やわらかくて人心地の着く印象がある。