2019年6月20日(木)

夕刻、叔父が今日か明日かという連絡を受けて、何名かが病室へ集まった。事前の説明によれば、叔父は今朝方にテレビや窓の外を見ようとしていたとか、いまは酸欠で朦朧としているかも、という話だったけれど、僕が側に立ったときの叔父は目をあちこちに動かしていた。大叔父が叔父の手をさすりながら優しい言葉を掛けている。僕は、怒っていてもしょうがないからなあ、というようなことを話し掛けた。その後、周囲の者同士でぼそぼそした会話が交わされ、叔母と従弟から「今日は来訪者が多かったから、本人は疲れているのかも知れない」という話が出て、大叔父や母と共に病院を出た。

2019年6月19日(水)

祖父から連絡があり、びわが色づき始めたがどの段階で漬けるのか、ということを聞いてきた。なんとなく食べられる程度に熟したら、ということで話が付いた。びわの場合は、青い実では香りが宿らないのではないかなあ。

日暮れより夕立。この夕立はよくあるにわか雨ではなく、前線に添って大気が乱れていることで起きているものらしい。そのため、明日の朝まで降り続くかも知れないとのこと。いまのところざあざあと安定した雨脚になってる。

2019年6月17日(月)

夕暮れより散歩。満月が煌々と輝いていて、懐中電灯の灯りがなくても野辺を行ける明るさだった。仄かに浮かび上がる夕べの景色になにか柔らかいものを思う。復路に物の序ででとある用水路へ寄り道をする。竹藪の中へ注ぐその用水路には毎年、蛍が出る。今年はどうかなーと見に行ったところ、数匹の明かりが月光の中や竹藪の真っ暗闇に、ふわふわと点滅していた。ああ、今年もいいものを見られているのだなあ。蛍の黄緑色は思いがけないほど目に明るく映る。帰り道、うちの近くでも蛍が道を横切っていった。蛍が光を求めて人家の網戸にくっついていることはよくあることだから、わりとこのあたりの広範囲で見られるのかもね。

2019年6月16日(日)

正午少し前に道の駅へ。道中から雨がぱらついてきて、着くころにはしっかりした雨脚になってきた。広場でくだを巻いているフリマの店主たちが、天気のことを「土日はこうだもんよお」などとぼやきながら、店をしまったり、商品にブルーシートを掛けたりしている。

産直売り場へ逃げ込んでうろうろしていると、おっさんが試食を勧めてくれた。にんにくと昆布の炒めものらしく、おいしい。らっきょうじゃないからね、にんにくだよ、なんて掛け合いをする。

本格的に雨が降り始め、雷も鳴り響いているのを見て、売店のアスパラガスのジェラートを食べつつ、建物の軒下で雨宿りをしていた。ほかにも幾人かが雨を避けて空のほうを見ている。うっすら透ける雲の中に稲妻が光る。西には青空が覗いているのに、雨雲はいっこうに動かない。スマホで降水域を確認すると、それは地図上に赤い楕円を描く夕立で、隣町のあたりから湧き出してずっと降り注いでいるのだった。それならここから離れたら雨は止んでいると思い、小降りの隙にベンチを立って市街地へ向かうと、案の定すぐに路面が乾き始めていた。

2019年6月15日(土)

日がな雨。もう六月が半ばというのにびっくりだよ。あああ、もったいない。

たばこは発作的に欲しくなる、というかいまがそれ。Earthyと表現されるタイプのリトルシガーの中には、濃厚なチーズと土を足したようにふくよかな香りのものがあり、特にパルタガスのチコがそうだった。ジャンクな手巻きたばことか、バージニア葉の甘さが際立つパイプたばことか、そういうのはだいたい初夏の夜のむせるような大気と合う。おいしかったものの味を思い出してもしかたがないし、お茶とお香で釣り合いを取ろう。

スーパーなんかの青果売り場はいろいろな果物で賑やかになってきて、通りすがるたびに季節の甘い匂いがするようになった。いいなあ。

2019年6月14日(金)

竹の件はOKが出た。土日はそれなりにしっかりした雨降りになるとか。八溝山地から雲が常に湧き出すようになったのを見て、夏の気候だなあと思う。

2019年6月13日(木)

公園の草むしりの代打再び。美容師さんが日曜大工用に欲している竹について、僕の祖父が納屋の後ろに積み上げているものの写真を見せたところ、それでよいという話が出たため、祖父と明日会う折に話をしてみるつもり。

そのほか、祖父宅のびわが成ったらホワイトリカーに漬けたいから採らせて欲しいとか、家の前の水路に蛍が出たら教えてくれとか、僕はわりと祖父に頼み事をしているな……。

2019年6月12日(水)

田んぼのかえるの合唱は小さくなったけれど、この季節になっても聞こえてくる。今日は全体的に涼しくて、過ごしやすい日だった。なんだかもう眠たい。

2019年6月11日(火)

家の中に小さなアリが出ると祖父がいうので、発動機付き散布機を使って祖父宅の床下にマラソンを散布していた。もうもうと立ちこめる殺虫剤の中にいて服を叩けばその煙が立った。

もうじき蛍の季節だから近場の用水路が狙い目。