夕暮れにISSの通過する様子を見る。
森林限界を越えて景色が開けてきたあたりから、人よりずっと背が高くぶわっと伸びたしっぽのような植物が、大地のあちこちで突き刺さるように生えているのが見えるようになりました。また、木々の鬱蒼としたにおいも散っていきました。
ごつごつした小石ばかりの斜面を道はうねりながら続き、空の頂は昼でありつつも青と呼ぶには黒くものすごく染まって、はるか上のほうでは強い風が流れているふうでした。
メルツェルは陽差しに焼かれて空を眺めるうち、その黒っぽい中にちらちらと瞬く光の点を認めました。それは昼の星でした。高いところ、空に近しいということは、そのまま宇宙が目の前にあるということなのでした。