日没にあの柔らかい青色が戻ってきたのを見て、ビターココアの粉袋など買う。ぐずぐずに熟れた夏の闇から、透明な羽の如きものが育ちつつあるのを感じる。端的に言って秋の芽生え。
そういえば、しれっと「ムーミンパパ海へ行く」「ムーミン谷の十一月」の新装版を手に入れている。BOXセットで欲しかったのだけれど、さしあたって読むにはこれでいい。おそらく一生もの。PAPPAN OCH HAVETとSENT I NOVENBERの綴りが新鮮だ。
ムーミンシリーズに出会ってからもう長いこと、この時期になれば当たり前のように、海や十一月を手元にたぐり寄せておいてちまちまとページを捲っている。
同時に「少女ソフィアの夏」も入手。光り輝く詩情やカミソリのごとき眼差しに加えて僕がトーベ・ヤンソンの作品で気に入っているのは、気ままに振る舞うことや不条理をも包み込む愛情なのだろう。