彼が暮らしているところはその茨城県高萩市の海辺からすぐそばにあり、あの近辺の港には4mを超える津波が押し寄せたと報道があった。あの夏の日に出会ったときSさんは、仕事が休みの日はよく海辺で過ごしているんだ、海が好きだからね、と語っていた。それを思い出して僕は心配だった。彼は鉄道職員で休みがいつなのか分からなかったし、自宅の電話番号は教えて貰っていたがそれをメモした手帖は部屋のごちゃごちゃのどこかだったからだ。そうこうしているうちに私事で日が経ってしまった。しばらくしてGoogleのGoogle Person Finder (消息情報): 2011 東日本大震災というサービスを見つけたので、それに覚えている限りのSさんの個人情報を入力した。そのすぐあとに手帖が見つかり、夕刻になって電話を掛けた。しばらくしてはっきりした声と繋がった。Sさんは無事だった。会社が混乱していてずっと自宅待機していたという。家の色んな物が痛んだけれども無事何もなく元気でいるよ、と言った。あれから海へ行きましたかと訊ねると行っていないと答えた。まだ危険だからという理由だったが、恐らく気持ちの整理など色々あるのだろう。近況を少し話し合い、落ち着いたらまたおいで、と彼は明るく言った。
僕は以前去年の冬に、あるお気に入りの音楽を静止動画に編集してYouTubeへ投稿した。そして今年になりポケデジSQ30mを手に入れ、たまにその動画撮影機能を利用するようになった。そういうわけでこれはそのお気に入りを出しにした、今後YouTubeに上げるかも知れない動画を貼るための練習。良かったら聴いてみて欲しい。僕はこの音楽を珈琲や紅茶と同じ嗜好品として聴いている。たまに聴く事でより、実に味わい深い曲だなあと感じるのだ。音楽は人並みには聴いてきたつもりで、この「bayaka – Amanece(2003 ode music production remix)」は今の時点で僕の中での評価は一番か二番目のもの。これから先、より佳い曲に出会っても、この音楽の輝きが衰えることはきっと無いに違いない。