2023年5月14日(日)

きょうも疲れがあり眠たい。4泊5日の旅程についてはいつなにをしたか手帳へ書きとめてあるし、記録のために写真もたくさん撮ったけれど、忘れないうちにここへも軽くメモしとこ。

一日目。朝早くにぬい二名を連れて出立。那須岳の裏側を回るかたちで塩原から会津を抜けて新潟県へ入った。朝のうちは気温が四度とひどく冷えた……。宿のチェックイン時刻までには時間があったので五泉駅前の「カフェテリア 林檎」へ入り、相沢歩さんの「VIOLETTA」と「Heiligenstädt」を読み終えた。どちらも読めてうれしかった本。そして五泉市の碧水荘へ。阿賀野川と磐越西線のあいだにある小さな温泉街で、宿の硫黄臭の強い露天風呂は日暮れの山々が見えて気持ちよかった。夜になるとときおりときおり通る電車に旅情を感じたり。

二日目の朝は、なんとなく地元のラジオのFM NIIGATAを流していたら、松任谷由実さんの『やさしさに包まれたなら』が流れてきた。「カーテンを開いて 静かな木漏れ日の やさしさに包まれたならきっと 目に映るすべてのことはメッセージ」という歌詞が自分の旅のことのように思えて、じんわりと素敵な気分になれた。宿を発ってからは紫雲寺公園で日本海を見て、そこから丸一日かけて海沿いをひたすら北上。ここから旅のあいだはずっと風力発電機が立ち並ぶのを見ることになる。秋田県潟上市の北限亭には二泊した。こちらも夜になると電車の音が聞こえるのが侘しく満ち足りた感じだった。道中、バイク屋さんからお気づかいのメッセージが入った。

三日目はこの旅のメインで、男鹿半島をぐるりと回った。道の駅おがには見たこともない鮮魚やいぶりがっこなど、食欲と好奇心をそそられるものが並んでおり、すごいなあと感心しきり。途中でNPOのスタッフさんから電話をいただくなど。アップダウンの激しい海沿いの道を走り、なんとはなしの目的だった入道埼灯台を見て登り、そこのお食事処のひとつ、竜宮館でざっぱ汁定食を食べた。一帯そのものが人のほとんどいない閑古鳥ではあったけれど、運ばれてきた定食においしそうですと言うと、お店のおばちゃんは「うちのはおいしいんだよー」と言ってくださった。灯台の周りにはおだやかな海風の吹く草原が広がり、そこでぬいたちとぼんやり海を眺めるのは心地よいものだった。男鹿半島は山が海からそそり立っているような地形で、ただ通り過ぎるにはもったいない美しい景観がたくさんあり、もっとのんびり見て回りたいと思った地域。日本海沿岸を北上するあいだはずっとだったけれど、道ばたにはシャクやタニウツギや藤の花々が咲き乱れ、甘い風の中を走り続けた。そして男鹿半島はイタドリが跋扈していた。戻り足には八郎潟が干拓されてできた大潟村を抜けた。海と水田とが一緒に見えるのがおもしろい場所で、ひたすら平坦な土地に直線状の道路が引かれていた。宿では晩酌をして就寝。

四日目は帰り脚。来た道を辿るように海沿いを南下し、山形県鶴岡市からは内陸へ。さすが東北はすごいとほくほくしたのは、道の駅の産直を覗くたびに山菜がたんまり並んでいることだった。たらの芽や山うどは言うに及ばず、ミズ、ネマガリタケ、シドケ、ほかにもいろいろ。あの山はいまだに残雪を抱いているなあと思いながら走っていたら、それは月山で、その山あいを通り抜けることになった。けっこう奥まった地点まで来てから電光掲示板に車両専用道路とあり、引き返すわけにも行かずにしれっと通り抜けた。五月だというのに、汚れた残雪の下から雪解け水がかろやかに流れ出すのを見るのは、季節を出たり入ったり通り抜けたりしているようで不思議な気がした。そこからはまたひたすら走り続け、山形市を掠めながら上山市の宿、材木栄屋へ。

五日目は最終日。山菜を買って帰ろうと、開店時間すぐに道の駅や産直を回り、シドケとミズを手に入れた。ネマガリタケはすごくよいお値段がするのでもっと安いところをと探しているうち、在庫はどこもすっかり捌けてしまったらしかった。そんなものよね。道の駅あいづで母へのお土産を買い、天気予報の雨マークを気にしながらうちを目指した。下郷町から白河へ抜けるあたりで雨が降り始めたためレインコートを着て、あとは国道4号線を南下し、帰り際にスーパーへ立ちよったりもして、夕方前に帰宅。

うちへ着くとばらが満開を迎えていたり、散ってしまったものやつぼみを伸ばしているクレマチスがあったり、庭の植物たちが不思議と趣深かった。そこから居室でだらだらと過ごしてきのう、きょうと至る。書いているうちに日付が変わってしまった。眠ろう。

2023年5月8日(月)

風の強い日。早めの通院で病院を二軒はしごした。あすの行程はひたすら山あいを抜けて新潟方面へ向かうもので、五日間でいちばんハードになりそうなのだよね。チェックインの時間までに宿へ着くかなー。できるか分からないことをするのは得意でないのだけれど、だったらいい機会でしょと思う。んー。あとはあしたの自分に任せて、早く眠ろう。

2023年5月7日(日)

一日じゅう雨。荷造り。やはりかさばるのは衣類。旅先でもいつものようにぱりっとしたオックスフォードシャツを着ていたいのだよね。丁寧にたたんだもののそれなりの荷物になるなあ。とはいえこうした荷物は荷箱に仕舞うから、特に困りはしないはず。今回はぬい二名に一緒に来てもらうことになり、そのふたりを連れ回すためのトートバッグをどう扱おうね、ということのほうが思案ごと。きのう書き忘れたのだけれど、バイク屋のおっちゃんに原付のパーツ交換とメンテナンスをしていただいた。チェーンとプラグ、それに前輪のチューブ交換。後輪のチューブも交換しておきなよと以前言ったのは彼だったのだけれど、あんまり念入りにしても仕方ないからこれで行ってきなとのことで、そちらの交換は無しになった。適当な人ではあるものの、旅が出たとこ勝負なのも確かなこと。なにかあればJAFのロードサービスが使えるから、帰ってくることはできるはず。

2023年5月6日(土)

家事をしつつゆるやかに過ぎし日。日中は暑いに近い暖かさだったけれど、夜更けになると雨が降り出して過ごしやすい気温になった。窓を網戸にして新鮮な空気と物音を取り込みながら眠るのが好きなのだよね。そろそろ日付も変わるし、そうする。

2023年5月5日(金)

届いたガーデンシュレッダーを母と動かして剪定枝をチップにした。桜や楓の太めの枝までもしゃもしゃ食むように粉砕してくれて、作業効率のよさにびっくり。これから活躍すると思う。きょうはちょっと疲れた。

追記:宿の予約を3カ所、素泊まりで取った。9(火)~13(土)の4泊5日。もう眠ろう。

2023年5月4日(木)

週間天気予報と感染者数を見ながら、来週あたり出発するのがよさそうだと思い、少しずつ準備を始めた。せっかく予約したワクチン接種の日程は一週間先へ変更。移動しながら日本海を見ること、そして東北/男鹿半島/入道埼灯台のあたりをうろついてみる、それが目的の旅程。距離があるから走りっぱなしになるけれど、景色を眺めることを軸にして予定を盛り込まなければ、気ままに過ごせると思う。原付でこれだけ旅するのは初めてだから、やってみることで自信にもつながるんじゃないかな……もっと長めの旅に対しても。

2023年5月3日(水)

よい本が並ぶあの山のなかの本屋さんへ半年ぶりくらいで行ったところ、お店の主が顔を覚えて下さっていた。小さな店内でほかのお客の邪魔をしなかったかな……とあとになって気にするくらい、矯めつ眇めつ夢中で本を漁った。今回買ったのは写真集何冊か+α。持田信夫『ヴェネツィア 沈みゆく栄光』(徳間書店)とISAK DINESEN『AFRICA』(BANTAM PRESS)は中の写真をちらっと見てすぐに(写真が)気に入った本。あとでじっくり眺めよう……。午後からは母と、桜やライラックを剪定する作業をした。

2023年5月2日(火)

コモンセージやオレガノなどハーブの苗を地植えにした。ほか、去年植え付けたカルミアに早く育って欲しくてその花芽を摘んだり。低気圧が去り風の強い日で、外のテーブルへ連れてきたぬいは作業中に吹き飛ばされて落ちてしまった。よしよし。夜には風もすっかり凪ぎ、いまは遠くの音まで聞こえる。あじさいの苗が届いたから、こちらは近く植えるつもり。鉢植えのミント×6種はびっくりするくらい勢いよく育っており、いまのミント水にするていどの消費が追いつかなくなったら、さっくり刈り込み砂糖で和えて食べようと画策中。五月はよい季節。