母の皇帝ダリアを軒下へ植え付ける作業をして午後を過ごす。つかれた。ごみを回収場所へ出してきた帰りに、ほたるが飛ぶ近場の水路へ立ち寄った。読みは少し早かったようで光は見当たらなかった。このあたりもほたるの飛ぶ数は年々減ってきているけれど、出現していれば淡い黄緑色がふわふわ動く様子は気がつくはずだから、時期を変えれば出会えるかもしれない。もうとっくに夜の散歩が気持ちよい季節だ。鉢で養生していたいちじくのビオレソリエスは、葉の一部が茶色になって特有のいちじく香を放つようになった。ざっと検索をかけてみたところ、原因としては加湿、つまり週末の雨が鉢へ注がれすぎた、ということかもと思い当たった。幹へ虫が入ったようには見えないから、水に注意して少し様子見する。そのいちじくの葉裏にかげろうの卵らしきものを見つけた。うどんげだ。ほのかに感動してしまい、デジイチを持ってきて撮った。気が向いたときに写真を書き出そう。
2021年6月5日(土)
なにもない日。母が一回目のワクチン接種を受けた。特に変わったところはないらしい。三週間後にもう一回受けるまで油断ならないにしても、疫病に対する家族の安全度が増したことに、ほっとしてる。人体の免疫系はすごいな……。あらかじめ敵(ウイルス)の情報を手に入れて学習することができれば、生身では為す術のない天然痘や麻疹を撃退できるんだもの。その潜在的な防御力に驚く一方で、こうした機構に目を付けてうまいこと予習教材を与える知恵を編み出した人類にもびびる。治療でなく予防してしまう強さだ。僕にも早いとこ接種の順番が回ってくるとよいな。取り寄せた一重のくちなしには初めアブラムシがついており、鉢へ植え付ける際にオルトランを与えたのだった。その鉢を金曜の雨の中へ出しておいたおかげで、死んだアブラムシはおおかた洗い流され、蕾にはつやが見えるようになった。こうした被害に対しては、手作業であれば割に合わない労力が発生するところだと思う。それはそれとして、不必要な殺生をすると心が痛むようになったのは、歳のせいなんだろうか。むかしはロケット花火にかえるをくくりつけて打ち上げるような子供だっただけに、どういう変化なんだろうと思う。少し前、庭のあけびの葉にアシナガバチの女王が巣作りを始めたのを見つけた。人が行き来する付近だったから危ないと思い、車に使う洗剤かなにかのスプレーをかけて殺したのだけれど、女王バチが地面に落ちてもがくのを見て、こんなことしたくないなあと辛かった。野生生物とこちらの人間とで利害が対立したときは、申し訳ないけれどこっちの利益を優先するよ、というのが現時点までの自分の方針。そこにここ数年で、できるだけ相手を尊重できないかという観点が入ってきたことは、いたわりなのか、後ろめたさの回避なのか、よくわからない。
2021年6月4日(金)
雨降り。湿気でべたべたする。
2021年6月3日(木)
雨が降る前に、母が産直で買ってきた苗をふたりで花壇へ植え付けた。大叔父の代わりにワクチンの予約を取った。気分が低調なとき、自分の欠点へ目がいくのはげんなりするな……。これまで鼻持ちならなかったように思われる。思い当たったこと自体は運のよさなのかもしれないから、無駄にせず修正していこう。雑草を撮ってその名前を図鑑で調べていると通院先の先生に話したところ、それはとても贅沢なことなんですよ、と言われた。心がズキズキするくらいその通りだね。
2021年6月2日(水)
依然低調。雑草図鑑を読み込んで道ばたの植物を撮り、それをバイオームへ登録していた。その図鑑の掲載数が300種。手に入れた当初の印象は「こんなに充実していたら使いこなせるだろうか」というものだった。バイオームの現在の登録数(種子植物)が130くらいで、少し頑張れば自分にも300という数は達成できそうに思う。というか、名は知らなくても普段ほかのものから区別して認識している植物というのは、多いんだな。金曜は強い雨が降る予報。きょうだいは独自にかなりやられており、副作用の強い処方が出されているとのことだった。
2021年6月1日(火)
水を掛けてしまったキーボードが入力エラーを起こすため、きょうの雑記はここまで。『アマゾン河の博物学者』に手を付けた。二段組みで500ページある。手強い。他の本と同時並行するとして、一日5ページ読み進めれば、夏が終わるまでに読み終えるはず。
2021年5月31日(月)
母のワクチン接種の予約をウェブで取った。地元自治体にて、一回目は今週末の夕方の枠。ここから二度目の接種も滞りなく終わったら、僕にもそれなりな安心感が得られるのではないだろうか。日が傾くころ夕立と雷鳴。排水に難のある箇所が庭に複数あったため、雨脚の盛りに出ていって、シャベルで水はけをよくする作業をしていた。家の屋根から庭の土中へと埋もれていた雨どいを少し前に掘り出したのだけれど、その配管に作ってしまった裂け目から、水がこんこんと湧き出していた。こんな時だけ感じのよい泉だ。これについては、配管の先端を後日きちんと掘り出して、そこから排水できるようにするつもり。母の談によると、その泉が現れたおかげで樋のつまりが解消され、軒の上からの雨漏りもなくなったという。やっぱりこのへんの流路の問題は解消しておくべきだ。庭全体に傾斜が掛かっているため、大雨となると水たまりのできる場所がある。いずれ庭へ歩道を敷設するとしたら、そこに段差を付けるか雨どいを仕込むなどして、排水経路も一緒に埋め込むのがよかろう。気分は依然沈む。
このバンドの『帰らざる日々』アレンジが心地よく、中古CDのBeautiful/Memorableをお揃いで手に入れた。
2021年5月30日(日)

七時を過ぎても外は明るかった。西の空一面の暗くなっていく緑色が綺麗で、少し立ち止まりスマホで撮った。この季節特有な日暮れの開放感がある。気分の落ち込みと疲労を感じる。眠ろう。
2021年5月29日(土)
午前から夕方まで母と、居間の窓やサッシを念入りに掃除した。そこは長いこと開けることのなかった場所だったのだけれど、軒下もすっきりしたことだから開放できるように、と手を付けたのだった。入念に掃除したから、今後は小さな踏み台を置いてそこから出入りできるようにしたい。ほか、庭の軽い草むしりなど。途中で夕立が降った。
2021年5月28日(金)
相変わらずしんどい。原因は分かっているから、落ち着くまでなんとかこの気分の浮き沈みをしのごうな。大叔父の思いがけないエピソードを母から聞いた。それと個人的な憎悪には関連がないのだけれど、勝手に振り上げた拳を下ろせなくなるというか、自分を棚に上げられなくなるというか。しばらく休息を優先する。
