2024年10月16日(水)

体調がすぐれず、やや低めのテンションのなか通所。細々とめくってきた初心者向けの世界史の本を読み終え、次はどうしようかと思ったすえ、橋本治『二十世紀(上・下)』(ちくま文庫)とユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上・下)』(河出文庫)、ほか気になる本をいくつかAmazonでポチった。大航海時代からヴィクトリア朝にかけての時代に惹かれるのでそのようすをもっと知りたいのだけれど、ざっくり検索しただけではピンポイントな書籍は出てこない。基本が終わりあとは好きに漁りなさいというところへ来たみたい。思えば博物学や探検誌関連の書籍を本棚にプールしており、関心はじぶんより先に道を敷いてくれていたらしかった。高校ではずっと地理ばかり取っていたじぶんが世界史も面白がるなんて……なんだか、不思議だ。地学や地球科学、天文へも興味が伸びているあたり、より大きなものというか、閉じていた世界が開けて外界への眼差しが育っているのかもしれない。かつて地理の勉強で培った地球へのイメージがずっと導線になっているのは間違いのないこと。

2024年10月15日(火)

なにごともなかりし日。『さよなら、僕のマンハッタン』観た。うまくいかなさそうな恋愛に悩む無難な青年の隣室に、よくわからない男性が越してきて、そこから物語が動いていく。もつれていく人間関係を描いているのかな……と思いつつ観ていると、最後に、絡まった糸がするんと解けるような展開を見せた。しっとりした印象の残る映画で、画面の色作りも似合っておりよいなあと思う。夕餉のあと、じぶんは辺境やフロンティアで暮らしたい、見て回りたいのではという思いがよぎり、こういうときはこの作家かなと、積ん読の棚から星野道夫の文庫二冊とジェーン・グドール『森の旅人』(上野圭一訳、松沢哲郎監訳、角川21世紀叢書)を取り出した。それまで知らなかったのだけれど、『森の旅人』をぱらぱら開くと星野道夫撮影の著者像が載っており、びっくり。本の方がこちらを招いたり、機が熟したときやっと背表紙に呼ばれるようなことが、読書のうちにはときどき起こる。おそらく取り出した数冊はいまが読みごろ。北海道の広い大地もいずれまた巡りたい気がしている。いまは行ったことのない場所の優先順位のほうが高いけれどさ。辺境を見て回りたいことと、巡礼するような旅をできたらということ、そうした思いがなんとなくある。

2024年10月13日(日)

のんびり過ごしたよい気候の日。土曜はちょっと疲れて書き忘れたのだけれど、それとは別に、NPOさんのところでお誘いいただいている二週間後の山登りについて打ち合わせがあった。行程はロープウェイ山麓あたりから茶臼岳へ、往復でも四時間ほどの見込み。茶臼岳は日々見上げる山なのにまだロープウェイ山頂駅より先へ登った経験がないから、よい機会になると思う。今回参加するのはじぶん含め二名、それに企画したスタッフさんやその知り合い、サポートしてくださる方々が数名。話を伺うなかなんとなく思ったのは、これってNPOさんのほうで定期的な活動にできればという思惑から立ち上げられ、じぶんはその初回にお呼ばれしたっぽいねということ。思えばお菓子作りの活動もそんな感じだった。個人的に幸運はなるべく手放さない姿勢でいるから、企画の立ち上げ要員として誘っていただけているのかと思うとどこかうれしいものだね。今回の企画についてはスタッフさん曰く、息抜きを楽しむことに加え目標へ向かうこととその達成感も感じていただけたらとのことで、いまのじぶんはそうしたことが力になる段階にいるのかなと思う。勝手な期待としては山頂でカップ麺など食べたい。ガスはOD缶なら使えるのかな……。そのあとはワークマンへ立ち寄り手ごろなジャケットを一枚購入。山へ登るにあたっては寒さ対策だけが懸案だったから、あとはあるもので間に合いそうね。

2024年10月7日(月)

のんびり。夜更けに雨が降り出したのと同じくしてかえるたちが鳴き始めた。それを聞くうちに泣いてしまった……。雨が降るというのは当たり前のことではないし、それを祝福する生きものたちがいるというのも当たり前ではないのだよね。さいきん地球の成り立ちについて書かれた本をいくつか読んだためか、原初の雨や生命のビジョンが、さっきのあまがえるたちの声に重なるのだった。出所のよくわからない涙でそれに呼応しているじぶんもまた生命の流れを汲んでいる。ぴちょぴちょとこもった音を立てる雨垂れが聞こえる。

2024年10月6日(日)

朝は道の駅の産直を覗き、そのあとは訪問を予約していた輸入ビール屋さんへ向かった。一見さびれたカラオケ店の中へ入ると、冷蔵庫のガラス戸の向こうに見たこともないビールが所狭しと並んでいた。お店の方に好みと予算を伝え、個性的でくせの強いものを何本か見繕ってもらうことに。お話を伺った感じ、オンラインショップでの販売がメインのようで、倉庫がお店を兼ねているのかな。ほんっとーに初めて見るビールばかりですごい品揃え。世界は広そうね。丁寧に対応していただいたあとはスーパーを回って帰宅し、おふとんでぬいとまどろむうちに外は暗くなっていた。夕餉のあとはローズマリーとくちなしを再び小びんへ活けて机の上に置き、その前でのんびりするうち夜の二時。