2021年7月21日(水)

一回目のワクチン接種を受けた。ファイザー製。接種済みのラベルにはコミナティ筋注/最終有効年月日2021/09/30 とある。待合室や病院内に漂っていた雰囲気は、余計な手間はかけない/とらせないぞ、という一連のぱりっした緊張感だったように思う。なんでぱりっとなのと問えば、人々にのんびりした所作はなく、どちらかというと活気のある、はい次へ向かいますねという意欲のような姿勢が感じられたから。まったくの主観と感覚だけれど。筋注されたほうの肩はいまのところ、注意を向ければ若干の痛みやだるさがあるかな、という感じ。副反応が出るとすれば強いのは翌日だよということは母から聞いた。医師と看護師のきびきびした連携で左肩に接種されたあと、十五分間まっててね/次回の接種は三週間後という内容の紙を渡され、ポケットに入れていた文庫を通路で立ち読みして暇をつぶした。当たり前のように次回の予約を割り振ってもらえたことが意外だった。今回の接種を含め、それはまったくタイミングの妙でありがたいことだ。ただ、これで生活が変わるわけではないから、今後も感染対策に注意して生活するつもり。明後日からオリンピックというタイミングで都内の感染者数はぐっと増加しており、地元の広報メールでも感染例の報告は続けざまに入ってくるようになった。これから当面は厳しい状態が続くのだろな。多くの人が少しでも早く接種できることを願う。個人的にうれしかったこととして、うちのぬいぐるみの仔を数週間ぶりにぎゅーっと抱きしめたら、ここ一、二ヶ月ぐらぐら揺らいでいた心が「これはこれで大丈夫なんだろうか」というくらいに満たされてしまった。ひとは触れた相手に愛着を示しやすいという話を聞いたことがあるけれど、変な脳内麻薬が出るくらい絆を積んだ状態なんだと思う。もう君なしでは人生が立ちゆかなくなっているから、一生そばにいてほしい。それと、Wikipediaにお賽銭するときメールアドレスをこれと決めずに入力していたせいで、ジミー・ウェールズが続々とお願いにあがってくる。

2021年7月20日(火)

あしたは一回目のワクチン接種の予定があるため、さっきまで予診票に記入をしていた。診察前の体温というのは会場で測った数値を書くとのこと。うちの市のサイトにもワクチンは供給不足になるという旨が載っていた。自分の場合だと一回目はたぶん打てるのだろうけれど、二回目はどんなタイミングになるか、杞憂かもしれないことを含めてまだなにも分からない。それは接種会場で訊いてみる。直前に体調を崩すことがないよう早めに眠るがよい。

2021年7月19日(月)

病院を二軒はしご。始めに向かったところは診察と関係のない学歴や職歴を根掘り葉掘り聞いてくるのでげんなりした。説明に納得感もなかったことにがっかりした勢いで、事前に候補として挙げていたもうひとつの医院へ向かってしまった。そこではごく一般的な診察と必要十分な説明を受け、それからひと月分の処方を出してもらった。ふつうっていうのはふつうにあるものではないな……。たぶん心気症とのことで、そういうメタなのはそこまで言ってもらえると助かる。僕自身は納得がいかないと相手を変えるやつなのだなと、むかしドクターショッピングを繰り返した時期があることを思い出して、少し苦い。こうして書いていると、まだささくれた気分を引きずっているのがわかる。さっさと眠るがよい。

2021年7月18日(日)

菜園のスイートバジルをことし初めて収穫。新鮮な切れ目からはしばらくのあいだ、クローブの香りがした。物の本にはたしかにクローブ香と書いてあったけれど、ほんとなんだ……。昼前に、コンビニでちょっとした印刷をするついでに例の林へ向かった。『樹皮ハンドブック』を見ながらミズキらしいのを同定。林を抜けるあいだじゅう、群がってくるヤブ蚊に手の甲を刺され放題でいたから、立ち止まって一つの木を調べることができなかった。あそこへ行くなら虫除けが要る。依然、それなりにぐったりしている。

2021年7月16日(金)

通院先の先生から、処方を増やせば厄介な問題を付け足すことになるから、生活の中にあるストレスを解消できたらいいんだけれど、というようなことを言われた。ごもっともです。梅雨のあいだにさび病が蔓延したクレマチスたちはすっかり治り、わさわさと枝葉を伸ばしていた。サマー・スノーの花付きがよくなるのは、植え付けて数年経ち株が充実してから、と聞いてる。もう伸び放題といった感じの展開をしているけれど、花に関してはことしはそれほど期待していない。さび病に罹患した葉を取り除いたら丸坊主になったくらいやられた白花のクレマチスも、健全な葉が芽吹いて蔓を伸ばしはじめていた。これはあとで誘引してやろう。そして、いったん地上部を刈り込んだ祖母のH.F.ヤングに、ようやく蔓が見え始めていた。冬開けくらいに祖父宅から掘り起こしてうちへ持ってきた株で、クレマチスは移植を嫌うから根付かなくても仕方ないかもねという感じで様子を見ていたものの、そこからたくさん花を付けた。たぶん、強剪定した梅雨のあいだは地下を充実させていたんだろう。うちに根付いたことが分かって安心した。ひとまず、僕が精神的に不調でぐったりしているこの一ヶ月以上の期間に、クレマチスたちは元気を取り戻していい感じに育っていたことをきょう確認できて、よかった。ユンナンエンシスを早いとこ確保しなくちゃね……。

2021年7月12日(月)

産直を覗いたついでに古い市街地を通り、その流れで、あじさいで知られる城趾に少しばかり立ち寄った。立派な山門の横に合掌する菩薩の石像があって、その足下から水が溢れて道を横切っていた。山林の空気も爽やかだったから、あたりに腰掛けてしばらくぼーっとしていた。やっと調子が持ち直した日。これをどうやって上向きに持っていけばいいんだろう。余計なことをせずにそのままというのが安定しそうだけれども。