2020年2月3日(月)

「ミッドナイト・イン・パリ」を観た。雨の街を歩きたい気分ってあるよねえ。自分がイネス達よりギル側のひとなので、街をふらふらする彼に上手く感情移入していけた。見どころはやはりというか、過去の偉大な芸術家が生きて喋って動いてる、古い時代は常に美しい、といったところだろうか。さらりと映し出されていたものの、ギルがガートルード・スタインの「あなたには明晰な声がある。敗北主義はやめなさい」というアドバイスを受け止めて自分の原稿を書き直した経過が、個人的に核心だなーと思った。彼女の言葉があってこそではあるものの、それを頼りにギルは物語に手を入れ、その経過の中で『黄金時代嗜好』から抜け出していく。過去に心を傾けることが敗北かどうかは分からない。ただ皮肉にも、より古い時代を向いてそこに沈没を決めたアドリアナとの別れにより、自分のいまを生きていくギルの意志が浮かび上がるところが、ああ別れだなーという思いがして微かに辛かった。その辛さはラストの雨降りが優しく癒してくれたのだけれど。あらゆる時代に現代がはびこることや、それと向き合っていまを生きていく、というテーマは普遍のものなのかもね。観てよかった。あと、ベル・エポックの時代に迷い込んで勝手に冒険が始まってそうなあの探偵は、それからどうなるん……。よき時代の女性たちが手に手に携えていたシガレットホルダーが、どれも美しく華やかで、ちょっと欲しくなった。煙突みたいにたばこを喫っていたころ、手巻きたばこの旨さをより良く味わうために、海泡石で成型されたメシャムホルダーを使っていた。ホルダーはヤニ取りのお手入れがそこそこ頻繁に必要な道具なのだよね。

2020年2月2日(日)

ポケモンGOの限定リサーチに参加したり、リングフィットで遊んだり。後者のレベルは50ちょっとに到達し、アッシリーナの師匠らしき人物がいそうなマップにきたところ。細切れに吐きだされるドラゴの台詞から、彼はリングのうっすらした狂気から避難しているんだねこれ、という確信が芽生えていく。もうがっちりリングの片棒を担いでいるからついていくけれども。腕のトレーニングは相対的に楽なものの、脚がキツい。ポケモンGOのおかげで歩き続けることはさして苦にならなくなったなーと思っていたら易々と鼻を折られた感じ。それと、ウシロプッシュはダメージがごりごり出るから精神衛生によいね。

二月なんだなー。あと一ヶ月生存すれば春に踏み入れている。

2020年2月1日(土)

なんとなくしんどい日というものが世にはあるけれど、今日は幾分そんな日のような気がする。というか、夜の浅いころはその日掛かった負荷を脳が放散する時間らしく、夜が更けるにつれて思考の熱も引いて寛いでくるから、そういう時間帯があるのはしようがない。こういう時しんどさに立ち向かうと辛いだけだから、心の動きを見て抵抗せずにいることにした。この俯瞰する視点は自覚するだけでも効果があるのだよね。あとはもう、インセンスでも焚いて言葉無しのアームチェアトラベリングをやろう。それと、積ん読から優先度の高い本を選り分けてそれらに取りかかる、というのが必要かも知れない。

2020年1月31日(金)

晴れ。那須の山々を雪雲が取り巻いていた。春の気配が欲しくて少し前から部屋に飾っているかき菜は、側面のつぼみが色づいたまま萎れていくように見える。もとあった場所の土手でも、先端のわずかな花だけが黄色い花弁を展開させていたから、なんというか上手に咲くのはあまり得意でない植物みたいだ、と思っていた。一度切り戻しをしてから水をよく吸う。徒長しているものの萎れることはなさそうだし、このまま窓辺に置いて日の光を当て続けてみる。

2020年1月30日(木)

2010年から面倒を見てるこのパソコン、なにかが致命的に駄目ってわけではないのだけれど、もうそろそろ新調したほうがいいかもなあ。Windows7のサポートは切れたし、立ち上げから動作が安定するまで一時間弱掛かるし、ソフトウェア側が進化しているために画像編集時のもたつきが目立つ。CPUが第1世代のi7 960という、骨董品もいいところな部品を使い続けているのだよね。いまざっと検索したら、最新のシリーズには第9世代まであるとか。新しい製品は省電力化が進んでいるから、いずれ電気代の差額だけで新品を新調できてしまう。自分のスキルなら頑張ればパソコンが組めそうな気がするし、近く自作PCを検討していこう……。この先また十年くらい、手入れしながら使い続けられるパソコンを組みたいから、そうした質のよいパーツを分割で支払えるところというと、TSUKUMOやドスパラあたりになるのかなあ。

2020年1月29日(水)

朝から雨。昼ごろ白く明るかった雨雲は夕方にはすっかり晴れて、星空に月や金星が見えていた。

インクが欲しい。気になってるとここに書き付けていた「春泥」は、絶対に必要ではないしなーなんて買わない理由を探してるうち、2019年限定色ということですっかり在庫が捌けてしまっていた。もっか欲しい色はグレーで使いやすく、深みがあるもの。わりと気に入っているエルバンのグリヌアージュは若干薄くて寒々しいというか、紫がかっているように見える。深みというのはもう少し暖かいグレー、土の気配が欲しいのだな。やっぱり春泥を逃したのはしょうがないことだなあ。グレー系インクはまとめページがあったりして漁るには困らないから、この件はそのうち。

さっきからSpotifyでAcid JazzやFuture Jazz、Latin Jazzといったあたりのリストをフォローして聴き始めた。これらのジャンルの志向とか歴史はまったく分からないのだけれど、ざっと流していて耳に馴染む曲が多いということは、このへんに金鉱が伸びてるのでは、と思う。Spotifyは本当に音楽を流すように出来ている気がする。個人的なこだわりでCD(と、そこからリッピングした楽曲データ)を手元に置いておきたいという気持ちがあり、そうしてオフラインにかき集めた音楽をじっくり耳に入れていく、という接し方が自分に向いている。こういう行動ってひよこの刷り込みみたいなものなんだろな。

2020年1月28日(火)

no.9の「usual revolution and nine」というアルバムを聴きながら、ふと我に返ったように思う、自分は綺麗な電子音楽をそこそこ集めてきたかも知れない。そうした楽曲は宝物のように思って手元に増やしてきたつもり。それらとの出会いは直接的ではないにしても、ほんのりと暮らしの支えになってきた感覚がある。でもこういうのは、我に返ってしまうとそこに気持ちがしゃがみ込むから、あまり気にしないようにしてまた駈けられたら。冒頭のアルバムはたまたま個人的に欲していた「春先の花屋の店先」のイメージに合致しそう、ということで手に入れた。歌詞のない音楽には自分で解釈する楽しみがより多めな気がするよ。

2020年1月27日(月)

去年の春に庭へ植えた蕗がふきのとうを一つ覗かせていた。こういうのを見つけると気持ちが和むものだねえ。まだ株が小さくて育つのにエネルギーがいるだろうから、あと何年か経ってそこそこの群落になったら採るつもり。

そういえば祖父宅のふきのとうが出るあたりを車庫にすると聞いた。コンクリートを敷いてしまうから、蕗が要るんなら株を掘って持って行けとか。祖父の話では、その蕗はもとは高原山の上のほうから持ってきたものだそうな。芽が少し小さめな代わりに香りがよい。もったいないからあとでその蕗を掘り出して避難させておくことにした。

今夜は広域で雪が降るとか。だんだんにみぞれや雨になって、明後日までざあざあと降るそう。積もる心配がないだけに、今夜雪の降る様子をちょっとでも見られたらよいなあと思ってる。

リングフィットはようやくレベル40に到達。フッキンリーとの面会が終わってスキルを所持することが出来るようになった。

2020年1月26日(日)

一斉に野火をつける日だったらしく、日がなどこへ行っても煙で白く霞んでいた。道の駅の産直できんかんとせとかを見繕う。ホームセンターに立ち寄ったのち、散歩兼街撮りをしようと思い、飲み屋が居並ぶ下町のあたりをふらふらと巡った。朝の光を受ける歓楽街の無愛想な生活感がわりと好きだ。一日の中で様々な側面を見せる町並みが面白いんだと思う。あちこちで地域猫を見かけた。触らせてはくれないだろうけれど、程ほどに人慣れしていて、カメラを向けてもそこにいてくれる。人家の狭間の細い路地を見つけるたびに入っていきたくなるのは、それを暮らしの一部として利用する人たちがいて、その先はどこか見知らぬ風景に繋がっている、という期待感があるからなのだろうな。日曜の午前中だからか人の姿はたぶん普段よりまばらで、大きめの公園が親子連れで賑わっていたくらいだった。まあ、いまは寒の内だしね。前を歩いていた年寄りが、がらがらと戸を開けて家に入っていき「外はくさい!」なんて話すのが聞こえた。マンションの階段を上って眺めた市街は冬の陽差しの下でおおまかに視程2,3kmといったところで、これだけ煙が満ちていれば確かにくさいかもしれない。昼近くなってきたあたりでするっと帰途。

2020年1月25日(土)

きのう、土手に薹立ちしていたかき菜の先を摘んできた。適当なびんに挿して窓際に飾ると、あたりにいい雰囲気が出た。庭の福寿草はまだ芽が出ておらず。二月半ばに座禅草が咲いたら撮りに行こう。地元の人たちが保護している群生地とは別の、ちょっとした隠れスポットにしれっと生えている。

リングフィットアドベンチャーのマスター4のマップで出てくるジムが愕然とするくらいキツい。負荷30でやってるのだけれど、スクワットからマウンテンクライマーの流れに下半身がついていかず、這いつくばってへろへろになっていた。でも、そうなってからが筋トレだと聞くものね。それから、リングが自分はストーカーじゃないよね? と心配していたけれど、どうもその疑いは濃厚だよ。