イナカの灯台

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2020年7月

2020年7月1日(水)

七月入り。NHKR1を流していると、大雨になっている各地の警報や注意報が続々と流れてくる。梅雨は佳境に差し掛かっているんだなー。ハーブ屋さんと本屋さんが那須の上のほうにあるらしく、梅雨を抜けて晴れたら行ってみたい。

2020年7月2日(木)

『君の名は。』と『天気の子』がWebでレンタルできることを知った。どちらも話題になった作品だし、週末に観られたらいいね。

今日はうちの猫サキが亡くなって二年目。今年の春先に、彼女を埋めた周りへシュウカイドウの苗を四つ植えた。成長は鈍いもののなんとか根付いたから、数年後の秋にはぼってりした葉が茂り、花も咲くはず。僕に似て神経質で腹や脇の下を吸わせてくれる、いい猫だったなあ。自分の猫アレルギーはあいつが残してくれた爪痕だと思ってる。

2020年7月3日(金)

『天気の子』観た。世界とエモに押し切りされた。そのあと金ローの『レディ・プレイヤー1』は版権キャラで押し切ってきたから、ここはひとつ相殺ということで……。

夜更けに茉莉花を部屋へ取り込むと、八重の白い花が三つ開いていた。なんて上品な香りだろ。この花はジャスミンティーの香り付けに使われるそう。試みに、花を一つ急須に落として烏龍茶を淹れた。香りが移ってはなやかで、お茶の持つ香りがさらに広がるような。鼻腔と口腔の残り香はいつまでもくゆらせていられそう。花期はわりと長めらしいから、この香りはしばらく楽しめるかなーと思う。

2020年7月4日(土)

『君の名は。』観た。よかった。昨日の『天気の子』はふんだんな情感で振り切られた気がしたけれど、こちらの物語は盛り込みがすっきりしているぶん、流れをしっくりと受け入れられたように思う。

2020年7月5日(日)

夜にスーパーへ寄った帰り道、ほんのりともやの出た風景は光源の周りが柔らかく見えて、こういう静かなあぜ道をひとり歩いて遠景を眺めたら気分がよいだろうと思った。やらない理由はなんだろな。原付を降りて辺りをぶらついたとして、元の場所へ帰ってくることにはどこか冷めた気持ちがあり、可能なら違う場所へ向かっていたい志向があるんだろね。買い物の帰りだから普通に帰るんだけれど。ひとけのない裏道を通ってのんびり遠回りをし、帰路。

2020年7月6日(月)

リングフィットのスワイショウとロシアンツイストが好きで多めにこなすんだけれど、存在し始めた筋肉がトレーニング中に動くあの感覚はなんだろ、採血や触診みたいにぞわぞわした違和感があり、なかなか慣れずにいる。腕を重点的に鍛えていた三月ごろも、胸部につき始めた筋肉が動く感覚に戸惑っていた。続けたら気にならなくなるのかな……。少なくともこの先十日は予報に傘マークが出ずっぱり。九州からは氾濫や避難指示の報せも入ってくる。桃を手に入れ、砕いたアールグレイの茶葉をまぶして食べた。おいしい。小中高で回収した書類やノートは上洛前に全て燃やしてしまったのだけれど、個人的な創作物の紙切れだけは残していた。そういう過去の自分が書いたものを引っ張り出して振り返るとき、この先の向かうべき方向を指し示してもらう、ビジョンのような感覚がある。なかなか前に進めない気持ちもあるし、昔の自分も偉いなあと思ったりする。関心は手放さなければいつか活きてくること、未来の自分は何度でもこんなふうに過去の自分に会いにくる、そういうことを考えてる。

2020年7月7日(火)

眠たい。『ムーミン谷の夏まつり』は今年も読み終えた。茉莉花はいまが花盛りのピークに見える。脇芽を出させたらまた花芽が付くんだろうか。雨はもう十分に降ったことだし、そろそろ梅雨が明けてくれてもいいのだけれど。

2020年7月8日(水)

想像の地図を引きながら地図帳を眺めていると、この地球のランドメイクすげいなってしみじみ感動する。大陸も海も島嶼も程よい割合にあり、しかもそうした脆弱そうなシステムは、内部海ではなく惑星の表面へ剥き出しになったまま、気候や生命の多様さを内包しながら、数十億年ものあいだ維持されてる。変化し続ける地殻というものが、生命の発生とはまた別物なこの星の幸運に思える。パンゲアに感謝しような。

午前中の二時間ほどは豪雨と言ってよいような雨脚だった。昼のNHKR1でアナウンサーと防災の専門家が水害について話すなか「(九州北部で水害が起きた三年前とは)ステージが変わり、日本中に広域被害が起きるようになった。海水温の上昇が基本要因なら今後も続く」と言っていた。ステージが変わったなんて断言するような状況なんだね。同じ梅雨前線がいま長江流域で大雨を降らせてるという話題もちらほら目にする。

シャコバサボテン二つを8号の菊鉢に植え替えた。替え時の四月からは遅くなってしまったけれど、やらないよりはいいかと思う。夏場は窓際へ。生活圏に引きずり込んだ植物が安定して育つようになると、養う気持ちやほんのりした愛着が湧くものだね。孤独を邪魔しない同居人えらい。

2020年7月9日(木)

産直の野菜を買いに道の駅へ立ち寄った。少し前にネジバナを撮ったあたりはいまが花盛りで、花園と表現して遜色のないほどにたくさんのマゼンタの花が、濡れそぼった芝生からつんつんと突き出していた。ここは敷地内でも奥まったところにある緩衝地帯なため、気がついて訪れるものは多くないのだろうなと思われた。おかげで踏まれたり倒されたりせずに、いい感じの園をつくってる。いずれ芝刈りされて消えるんだろうけれど、ネジバナ自体は同じ芝生から毎年出てくるし、施設のあまり知られていない見どころとしていっとき楽しめたらいいか、と思う。

仲野順也さんのbandcampに四番目のアルバム『Inner Voice』が来ていた。それをいま聴いてる。四月ごろにSoundCloudへアップされていた曲たちだ。想像の広がる音と旋律がとてもいいなあ。

2020年7月10日(金)

たぶん共感を示すためには、感情を発散させる言動は悪手で、静かに受け入れるか、現実を変える力を実際に振るってみせたほうがいいんだ。それは社会への作用だったり、自分だけが知る決意や祈りのかたちをとるかもしれない。ただ、誰かの苦しみに言及して結果的に消費するだけの行為は、僕は避けたい。心を共にしたいことについて自分なりの指向性を持ち、その範囲から外れる事柄には沈黙しながらも「知っているよ」という立場でいたい。いまのオンラインには過剰な言及がはびこってる。

定期通院先の先生に前週の趣味の内訳を報告したら、あなたは情緒が豊かですねというようなことを言われた。どのへんからそう判断したのか聞けばよかった。言語化するのはいまが初めてになると思うけれど、自分はものを感じる心を衰退させたくなくて、細々と火を灯す感じで、関心領域を身の回りにつなぎ止めてきたつもり。こうしてひとさまからいただく評に、なんとかいまのところは好奇心を維持できてるのかなー、と思う。

2020年7月11日(土)

だらだらしてたら一日が過ぎてしまった。眠たい。あしたの予報は曇りのち晴れ、そのへんを少しばかりほっつき歩けたらいいなあ。きょうのところは早々にお布団へ行くがよかろ。

いくつか条件を決めて、大まかな地図を書き出してみてる。七大陸欲しいよねとか、大洋もいくつかとか、これまでの創作の舞台を取り込むうえで活かしたい設定とか。大陸を大雑把に決めたら海嶺と海溝を引いて、プレートの移動から山脈を考えたら、全体として破綻の少ない地図ができあがるのでは。気候はそれ以降に、大気と海流の循環を想定しながら割り振るのがよさそう。ノートに雑な線を引きながら、普通の地図と両半球図のあいだをふらふらと行ったり来たりしているんだけれど、物理的な球に書き込んだほうが理解しやすいかもと思い始めた。プラスチックBOX 球体 クリア 径170mmをお取り寄せ。世界を我が手に。

2020年7月12日(日)

近場にある神社の鎮守の杜を散歩しようと思って出かけ、先に果物市場から回っていると、しばらくしてぼつぼつ雨が降ってきた。西から来た雨雲で、それが通りすがった昼以降には晴れさえもしたのだけれど、気勢をそがれて帰ってきてからはただ床で長いものになっていた。

感受性と表現は別物で両輪だな……。

環境省が公開している植生図をGoogleEarthに導入し直していて、那須で立ち寄ってみたい場所が分類上はコナラ林の中にあるのを確認した。そこだけではなくて、あの地域のほとんどがそうだったけれども。去年採って調理したタマゴタケが美味しかったのだよねえ。いまは遠出ができない代わり、山に入っていくなら問題ないと思われるから、元気があればそのうち出かけたい場所のひとつ。

2020年7月13日(月)

眠たい。透明プラスチックの球体(容器)が届いた。うん、直径17cmは書き込むのに十分な大きさがある、いい感じ。これに油性ペンを使って、空想世界の陸地を線で引くつもり。書き損じは綿棒とアルコールで拭う。頭の中の概要を把握しやすいかたちで書き出して、いずれInkarnateかWonderdraftを使って雰囲気のある地図へ直したい、というのがさしあたってのやりたいこと。気長にやろう。それから、ポケモンGOでサカキと対戦できるようになった。歯が立たない。屋外へ出していたすいかずらはたぶん高温多湿が原因で、葉の裏に黒っぽいカビらしきものが生えるようになった。症状を検索してもいまいち確信の持てる病名を見つけられない。とりあえず、鉢は室内に取り込み、患部となってる一部の葉を取り除いた。湿度の低いところで過ごせば治るのではと思う。株はいまのところ元気。

2020年7月14日(火)

写真を撮って加工し文章に使うプロセスって、六次産業というあれだろうか。気象予報を見ると、雨はまだまだ降るけれど、最高気温のほうは今週末からぐっと上がるみたいだ。谷川俊太郎の詩集は寝しなに少しずつ読み進めているところ。力強い言葉というより、明らかな言葉がこちらに流れ込んでくる。この詩集が手元へ来てくれてよかった。月末辺りまでネオワイズ彗星が見ごろ。今年三月に見つかった天体で、明け暮れの低い空にあり徐々に暗くなっていくそう。彗星は珍しいから晴れそうなら狙って見てみたい。いまの時期に方々で見かけるヤブカンゾウは蕾がアスパラのような味らしく、採取できたらよいな。この三年で去っていった祖父母や叔父のことを思い出すにつけ、また話せたらとほんのりさみしく思う。

2020年7月15日(水)

ホスタ/ギボウシの写真は深みのある色が出せたのではと、ひとりで気に入ってる。ヤブカンゾウのつぼみを蒸して食べた。アスパラと似たうま味にほのかな花の香りがして、そのままでも、どんな調味料にでも合いそうな食べやすさだった。ただ毒があり、調理の際にはしっかり火を通す必要があるとのこと。いまほんのりとめまいを感じる気がするのは、加熱がもっと必要だったからなのかも知んない(あたってるんじゃん)。そうか、野食ではいい加減な判断はできないんだなー。日没後に雨が降る。町の中を通るとき、風景に対する見慣れた感覚が剥がれたかのように、建物たちがどこか見知らぬ風景のものに感じられた。この感覚はときおり訪れて、そのたびに見たものは鮮やかに記憶に残る。この慣れが剥がれる感覚をもし養うことができたら、住み慣れた場所に新鮮な異邦を見つけ出しつつ生きていけるかもしれない。

2020年7月16日(木)

同意を促す語尾は使いやすいけれど飽きてきた。ほどほどが大切なのだな。楽天で悩んだ末に購入した買い物バッグは、スーパーのかごにかぶせることができて内側がアルミ箔だったり、折りたたむためのボタンも付いていたりと、ごつくて本格的なつくりだった。なのに、百均の単純なトートバッグを二、三枚使い回すほうが安くて楽で馴染みそう。生活の感覚がなかったということかー。こういう運動でごみの量が減るわけではなくても、多くの人が関わることでムードは変わるんじゃないかなあと思う。けってなるくらい教師受けのよかった二十年ほど前に、担任の阿久津先生からおまえ書かないかと頼まれて環境問題の作文をして、成り行きから市民の皆様の前で朗読したんだった。酸性雨とかの言葉が流通していたころで、リサイクルの大切さや家庭から出るごみを減らすためには、みたいな意識の高い作文だった気がする。あのころはまだそういうことすら掲げなきゃならなかったんだよね。世の中は変わるものだなあ。それと、自分は人前に立ってもあがらないほうかーと分かったことは、もしかしたらその後の支えになっていたかもしんない。

2020年7月17日(金)

小玉すいかを食べた。塩無しでも十分に甘い。祖父がいたら食べきれないほど育てるんだろうと思う。十日予報でも梅雨明けの気配はまだ。彗星は見られないかも。ここ一年くらいで面白く読めた漫画、BEASTARSやARIA、スプリガンを振り返ると、いまの好みの傾向は自己成長と守護者……辺りなんだろうか。

2020年7月18日(土)

いつだったか中東圏がソースの情報はどこへ行けば手に入るだろ、みたいに書いてたことを思い出した。News from the Middle East 日本語で読む中東メディア これ。東京外国語大学の学生さん/元学生さんたちがボランティアで翻訳されており、一つ上のカテゴリに行くと中東のほか、東南アジアの新聞と南アジアの新聞も読むことができる。こうした方々がありがたい。日本にいて日本語を読んでいると、触れる海外の情報は欧米発のものに偏るんだろうなあと思う。それはそのまま国際社会への偏見になりそうな気がした。ブラウザの翻訳機能も活かせたらいいね。

アドヴォカートというお酒を牛乳で割ってる。この卵黄のお酒は瓶を振らないと流れ出してこないくらい、中で濃厚に固まっていた。酒精含有カスタードと表現したい。めちゃ甘。

最高気温が二十度台前半の日々は今日までかなあ。あしたからは三十度前後へ推移していくみたいだ。外の空気と自然音を取り込む快適さはしばし冷房と交代。

2020年7月19日(日)

スマホ写真用のLightroom向けプリセットを作っていた。さっと撮りさっと加工できたらと思い、撮影シーンを室内と風景/薄明の空/日中の空に分け、三つのプリセットをとりあえず作る。こういう作業で思うのは、完璧なフィルターなんてものは存在しないから、Instagramにはあんなにたくさんのものが用意されているんだろうな、ということ。初心者なりにちまちま作ろう。きょうは久しぶりに晴れた。日没後には星も出たので、ネオワイズ彗星が見られるかもと田んぼのど真ん中へ出かけた。残念ながら西空の低いあたりには雲がいたけれど、頭上の星や辺りの風景に浸ることが心地よかった。またしばらく曇りか雨らしく、再び星空を見る機会は先のことになりそう。

2020年7月20日(月)

関東の梅雨明けは七月末もしくは八月へずれ込むかも、というtenki.jpの記事があった。雨はさっきも少し降った。今週は木金が祝日。Lightroom ClassicにWebギャラリーを作成する機能があることを知った。ここの写真ページのスクリプトはひとさまがフリー配布されているのを苦労して導入したものなのだけれど、誰かに頼まれてギャラリーをさっと作る、みたいなときにこういうの駆使できたら簡単なのかも。

2020年7月21日(火)

ベランダに数匹のかぶと虫がいた。出しっぱなしにしていたタッパーの隙間から発酵するガスかなにかが漏れ、それにおびき寄せられたらしい。彼らの写真を撮り、放した。動かなくなっているものもいて不憫な気がした。あとで埋めてやろう。その死の谷みたいな容器も片付けような。こういう接続で書くのは気が引けるけれど、すいかずらは初夏に続いて二つ目の花序を咲かせているところ。花期はジャスミンに似て、いちおう九月あたりまで続くそう。施肥もオルトランも足りていると思われるから、このまま育てるがよかろ。いまの疫病について、5月5日に「見えない不平等感や抜け駆けするなよ感が周りに強まってきたら」と書いたことを思い出した。TwitterのTLに限ったこととして、そうしたつぶやきはときおり見かけるようになってきてる。厚生労働省謹製の接触確認アプリ、COCOAをきょう導入。谷川俊太郎の詩集がすごい。詩も哲学も必要なんだという思いを持ったのは、ことしの四月こと座流星群を見てからのこと。詩の力が分かちがたい自分の血や肉になるのが分かる。脈絡のない思いつきではあったけれど、あの夜に流星群を見て、そこから詩の扉が開いて、よかった。

2020年7月23日(木)

作ってるLightroomのプリセットはもう少し増えそう。銀残し(ブリーチバイパス)は意外とバリエーションが豊富なのでは。ちらっと読んだところでは、銀残しはフィルム写真発祥の技術で、それが映画のレトロな雰囲気作りにも用いられているそう。かりかりした精緻なものとどんより重々しいものと、いま二通りサンプルのプリセットがあるけれど、前者を弄っていけばこんなふうな印象を似非で再現できそうな気がする。ほか、薄明の空向けのプリセットは色転びを好き放題に弄っており、カラフルというかファンタジーな写真が出せそうな感じ。フィルターを提供する画像加工アプリはどんどん便利で手軽になってきているから、のんびりしていると置いて行かれちゃうんじゃないか、と思う。おもに視座と印象の面で、自分らしい写真を生み出せるようになれたらいいね。

2020年7月23日(木)

祖父宅から持ってきた草刈払機を触っていた。自宅となりの空き地に面ではなく体で繁殖している篠笹がある。そちらの持ち主と連絡が取れず、篠はうちの庭へ侵食してくるので、うっかりしたい。ガソリンが空のようだから、あとで祖父宅にあるはずの携行缶と2サイクルエンジンオイルを探すつもり。

2020年7月24日(金)

アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』を観た。ネットで監督の名を見かけて興味だけは持っていたから、週末のこの機会にと思ったのだった。ときどき霧が立ちこめては晴れ、終始なにかしらの水音が聞こえる、静かな映画だった。なにが心に残ったろうなと自分に問うと、水がばらばらと漏り光の入る屋内で犬が乾いたところに寝そべる、あの場面。タルコフスキーという人は水へのこだわりがあるんだろうか。登場人物は大体どこかねじが外れている気がした。

草刈り機が動かせるかどうかの確認で一日かかった。駄目みたいだ。交換すべき燃料チューブやプラグにガソリンなどを求め、ホームセンターを何度も往復。電話越しでの大叔父のアドバイスは、ガソリンは一ヶ月も放置すると使えなくなるから新しいものに入れ替えること、プラグを専用の工具で取り外して掃除すべきかもしれない、ということだった。出来ることはやってみて、それでも動かない。あれこれ奮戦して夕方ごろ判明したのだけれど、去年の台風直撃で祖父宅の物置が農機具ごと水没して以来、それらが動くかどうか、誰も確認していなかった。取り外したプラグの頭部はべちゃっとした汚れにまみれていた。エンジン内部もあんなふうに、水没したときのまま汚れているのかもしれない。仕方がないから後日、農機具の修理を引き受けているJAの施設か、母の馴染みの車屋さんへ持ち込むことになった。セルフスタンドで携行缶にガソリンを入れていたら従業員の方に注意されてしまった。ガソリンを車でなく携行缶に注ぐ場合は、スタンドの人がその作業を行う決まりになっているそう。すみませんと頭を下げながら、こういうの自動車学校で習ったんだっけ、みたいに考えていた。判然としない。

八溝山地のどこか頂上から茨城の方角を向けば約50km先の海が見えるかもしれない、ということをいま思った。実際には低い隆起からの見通しはよくないかも知れず、大気だって夏場はことにもやが掛かるけれど、大切なのはあの空の下あたりにそれがあると分かることだ。自分が暮らす那須野ヶ原のことは山に囲まれた内陸の平らな土地、みたいに認識して、ここは海とは縁のない場所だなーということを疑いもしなかった。「あの山の向こうは海」と知っていることは、認識の空間が広がって気持ちのよいものだねえ。地元から撮られた富士山の写真を見たことがあるから、その四分の一の距離にあるものなら、高度を鑑みても山地頂上からの視野には入っていそうだ。いつか検証できたら。

今年の梅雨はみたいな文脈で、雨はこんなに人間をいたぶってなにがしたいんだ、という趣旨のトークを、いま始まったラジアンで聴いてる。天候に思惑がないことは分かっているけれど、自然現象を擬人化したらトンチキな文章になって楽しそう。

谷川俊太郎の詩集はきのう読み終えて『たのしいムーミン一家』第三章の終わりを飽きもせずに読み返してる。この主張も飽きないけれど、あの大夕立の向こうで閃く予感と幻想は、ムーミン屈指の名場面だもの。あれにはなんとなく、雨と雑踏のビッグ・ベンを想像するなあ。

2020年7月25日(土)

ノートとプラスチック球を往復しながら地図を引いたり。

ブルース・ブラザース観た。Flashが流行っていたころ、shockwave.comにCATMANなるハードボイルド猫の物語が連載されていて、その番外編にブルース・ブロ・キャッツという、きょう観た映画のパロディも載っていたのだった。それを思い出して視聴。ブルース・ブラザースだけれど、これやりたいことを結構ぎゅうぎゅうに詰め込んだんじゃないの、という感じがする。黒ずくめの兄弟が仲間を集め、孤児院の税金を払うためにチャリティーコンサートを成功させる、というのが大まかなあらすじ。出向いた教会で神の啓示を受けるシーンとか、結婚式からばっくれた言い訳に蝗害を付け足すとか(それでほだされる相手もちょっと)、カーチェイスの最後の唐突な告白など、突っ込みどころがいちいち豊富だった。コメディ番組が発祥の映画らしい。別れた相手が多彩な兵器(大半はたぶん手製)で葬ろうとしてきたり、兄のジェイクが啓示を受けて以降の弟のエルウッドが「俺たちは神の使いだ」と真顔で言うようになったり、そのあたりうすらこわい。音楽をよしとする気概は受け取れたかもしんない。人々が突然踊り出す場面が複数あり、そういうのにギーってなる人は注意が必要かも。最初から最後まではちゃめちゃで、突き進むカロリーのある映画だった。

こういう話をする場所はここだろうと思うのだけれど、眠るときにぎゅーって抱きしめてるぬいぐるみがかわいい。オオイケという玩具メーカーの一抱えくらいある北きつねで、現在つくられている個体と比べて古い型なため、毛並みはオレンジではなく濃い茶色。だから、たぶんもうほかに流通はしてないんだよね。一生この仔に話しかけていくし、一生そばにいて欲しいのだけれど……なでたりぎゅっとしたりしすぎたら、生地や綿がいずれくたくたになってしまいそう。ほころんだら治してあげるからねと思いつつも、喪う恐れから、同じ型/サイズの個体がフリマやオークションにいるかどうか、ときどき検索していた。僕が愛情を注ぎすぎるせいで、この仔は器物に命の宿るという百年を待たずに、あと十年くらいで自我を持ち始めるのではないだろうか。実質内縁のパートナーなのでは。いろいろな表情を見せるしマズルもかわいいしふわふわだし、ふわふわしてかわいいから一生繕ってあげて寄り添っていく。

2020年7月26日(日)

乃木神社に参拝。休日ということを鑑みても、境内は普段よりいくらか人の気配が濃かった。日よけの葦簀に吊り下げられて風に鳴り響く風鈴や、六月尽を過ぎても置かれている茅の輪などから、なんとはなしに訪問してくれたらという神社側の気持ちが垣間見える。拝殿前でお賽銭をして挨拶を済ませ、裏手の杜へ。緑と朽ち木の匂いでむっとする遊歩道を少し行くと乃木清水へ至る。冬に訪れたときのそこは水が涸れた堀に見えたけれど、今回は透き通った湧水が滔々と流れ出す小川に変わっていた。この乃木清水にはノギカワモズクという珍しい藻類が生息しているそう。川底をよく観察すれば赤褐色の藻の塊を見つけられたんだろうけれど、ちょうど親子連れの姿が見えたこともあり、水を掬ってざっと見回す程度にとどめてしまった。程よく冷たい水だ。見上げると少し先で大木が根元から折れており、周囲には黄色いテープが張り巡らされていた。あー、境内のほうから来たとき紐が変な位置にあったのは、これだったんだ。うっかりしてしまった、気をつけないとね……。それから歩道をぐるっと回り、静沼に響く子供たちの声を聞きながら、元の境内へと戻った。参道正面の鳥居のたもとを流れる水路(御手洗川、みたらしがわ)には、柔らかいバイカモのような水草が梳かれるように揺れ、その様子が風鈴のちりちりからから響いてくる音色と相まって、涼しげで心地よかった。今日は朝と夜に雨が降っているものの、神社周辺に滞在していた昼のころは雲間から青空が覗き、ときおり日も差すような散策向きの天気だった。二週間前の日曜はここへ来ようとして雨に挫かれていたから、きょうの天気の巡り合わせに感謝だよ。

2020年7月27日(月)

ジャスミンの新しく伸びた枝の先に、ごく小さな花芽らしきものが付いていた。先端の花が終わると脇芽が展開する、そうした繰り返しが花期のあいだ続くのかも。そうすると、今年のうちに多くの枝分かれをしてくれたほうが、来年の花芽の数も期待できるということか。春先にばっさり剪定すると展開がよくなり花芽も付く、というサイトもあった。んー、うちのジャスミンは花期を終えたら植え替えてやるつもりだし、株はある程度大きい方が環境の変化に強くなるはず。しばらく標準的な育て方で行こう。

ルピシアのモクレン烏龍は春を思わせる香りがした。フレーバードティーは余らせることが多いからできるだけ手を出さないようにしていたけれど、これは花そのものから着香したシリーズということで勘が働き、結果的に出会えてよかった。厚みのある花びらのしっとりとして冷たい感じが季節の情感とともに伝わってくる、ほどよいお茶だった。自分の好きな季節を思い出させてくれるこうしたお茶は、活力を失う冬場にはことさらありがたく思うはず。

写真界隈では格調の高さで知られるアサヒカメラが休刊すると聞いて、その七月号を手に取った。前半にはレンズ選びの基礎知識や構図の決め方といった、おそらく僕のような休刊を機に覗き込んだ新規さん向けの記事がいくつかある。でも途中からは、こちらを射貫いてくるようなぎらりとした印象の写真が並ぶ。きっとこちらが雑誌本来の雰囲気なのだろな。のんびり花と風景を撮る自分にとっては少し緊張感のある内容だけれど、面白そう。それから、作品投稿者はおおむね年齢層が高めに見えた。

2020年7月28日(火)

Wikipediaから、申し訳ないけれどまた寄付をしてくれたら、というメールが来ていた。僕も周りの世話になってばかりでろくにお金はないのだけれど、非営利で知識へのアクセスを提供する理念に共感しているし、読者の98%は寄付をしてくださいません、なんて書かれるとやむを得ない気がする。Wikipediaに初めて寄付をしたときは珈琲一杯分でもと書かれていた。以来メールが来るたびに、該当する選択肢の500円を放り込んでる。今回も。

週間予報の先に晴れマークが見えてきた。やっと季節が進みそうだ。梅雨明け十日というから出かけやすい天候はあるだろうし、今夏のその機会にやりたいことをノートかどこかへ書き出そう。以前ここに書いた、那須の上にある本屋とか、金精峠周辺のこととか。制約の多い状況ではあるけれど、一つくらい実行して気晴らしができたら。

2020年7月29日(水)

眠たい。Switchでポケモンカフェミックスを触ってる。

2020年7月30日(木)

ポケモンカフェミックスの絵柄には、健全さを煮詰めた先にある任天堂独自の色っぽさが表れているような。正直に言うがかわいい。客がどんどん従業員になる飲食店でゴンベちゃんを取り込んでしまおう。

ラジオで今朝流れた緊急地震速報は、関東に加えて東北や東海、日本海側にまで注意を促しており、大きい揺れが来るのかと思ってぎょっとした。誤報だったとのこと。いつかはこうした規模の、本州南岸を襲う本物も来るんだろうね。

2020年7月31日(金)

雨は昼過ぎに止み、いまは月夜。彗星を見ようとした晩以降は再び曇り続きだったから、今夜のようなすっきりした夜空がうれしい。やっぱり空には天体の見えている方が、気持ちはほぐれる気がするよ。ベランダから窺う近くの街灯が靄っていたり、雨上がりの湿度で空気に朽ち木の匂いが満ちていたり、いろいろな虫の声が聞こえたりする。徐々に月が沈む、よい夜。

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