イナカの灯台

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2019年7月

2019年7月1日(月)

七月入り。以前はこの月に、現実の層がいくつも重なって透けている感覚があった。硝子板を何枚も重ねて流水に浸し、透かしたような。いまはそれとは別に、夜の自動販売機の明かりを感じる。

2019年7月2日(火)

祖父宅にてびわを収穫。叔父の葬儀や雨降りが重なって予定から少し遅れ込んでいた。でも、今年は不作かと思いきや、広口瓶に十分足りるほどの実を取ることが出来た。洗って陰干ししてある。びんに漬けるのは明日に。

従弟が「祖父が元気なあいだ、彼の仕事を覚えられたらと思っている」というふうなことを話していて、そのことは僕から祖父にそれとなく伝えてみたのだけれど、おそらく頼みやすいという理由から、彼は野良仕事をこちらに振りたい様子でいる。従弟には葬儀のあとの手続きがいろいろ残っていることや、人生の節目が控えている、ということも考慮しているんだろう。そのほか、皆して微妙な感情を抱えてはいるのだよね。孫が土の作り方を聞いてきたんなら、内気になっていないで手取り足取り教えてやればいいのになーと思う。

西日本でいま起きている大雨は明後日まで降り続くとか。こちらの10日予報をみていると、当面は最低気温が20度を割るように見える。季節予報では若干気温が高めだから、涼しさは今のうちなのだろうな。

2019年7月3日(水)

びわ酒を漬けた。二ヶ月経ったらレモンを引き上げ、更に一ヶ月したらびわも引き上げる。果肉を外したびわの種をびんへ戻しておくと香り付けになるそう。おおむね今日から三ヶ月~一年くらいで飲みごろ。

いまは疲れてる状態なのかもなー……。不満を文字に起こすよりも先に、梅雨と夏の境目が負荷の高い気候であることを現状認識の前提に入れておきたい。友達から、共感性が強いと葬式で疲れるのは仕方ない、というふうなよく分からない慰めをもらった。

そういえば昨日はうちの猫の一周忌だった。いまでも撮っておいた動画を見返したりする。軽い猫アレルギーになってしまったけれど、腹や脇の下を吸わせてくれるいい猫だったなー。

椎名誠の本に登場した野付半島と「きらく」の描写があまりにも侘びしかったことと、さっき強めの雨が降り始めたことをつけて、今日はおしまい。

2019年7月4日(木)

ポケモンGOでコイキングのアメが400個集まり、ようやくギャラドスの枠が埋まった。トレーナーレベルはただいま29。

カメラとスマホでは撮り方に変化が出るような。腰を据えて楽しむことができて、かつ画質の良い写真を撮れるのがカメラのよいところ。スマホで撮ってると、煽り/俯瞰/遠近といった構図をシームレスに試せる。電子ズームでは圧縮効果が弱いくらいか。美麗さは大切なのだけれど、構図やそのときの感情の伝え方に、より未来への見通しがありそうだ。いろんな構図を手軽に効率よく試せるスマホを、もっと器用に使いこなせたらよいね。

2019年7月5日(金)

芝のために地面が露出しているある駐車場の一角に、ネジバナが群生していた。その周辺では春にニワゼキショウの同じような群落を見かけている。それなりに人の往来がある道の駅の一角なため、ささっと撮るにはどうしたらよいだろうな、なんて薄ら考えてる。

ていうかふらふらとうろついていると目につくものは結構あるのだよな。雑草の知識に関しては、おおかた分からないが図鑑で草姿を知ってるのが若干見えてる、くらい。この草知ってるというのが単純に面白いし、敢えていうなら夏場のいまがこの遊びの旬でもあるから、手元の雑草本の内容を覚えられるように読み込んでおきたいところ。

2019年7月6日(土)

曇っていて星は見えない。

午後より日暮れまで庭仕事。今日は半袖で外にいるにはちと涼しかった。高さ2.5mほどのぎっちり密集した笹藪がうちの敷地ににょきにょきと侵入してくるのを、水際で根本から切断していく。薮が詰まっている隣の敷地は持ち主がどこかへ引っ越していて連絡は取れないから、こういうのが近隣に発生したらもう、慢性的に対処していくほかないのだろうな。

買い物から帰る夜道、ひとさまのお宅から打上げ花火が上がるのを見た。

欠点を指摘するよりも、それを理解して支えるほうが、よりよい友達なのではないか。

2019年7月7日(日)

アーティチョークと明日葉は春からこっち、あまり生長してない。土か日照か、ともあれ見切りを付ける機会がいずれありそうだ。

昨晩に引き続いて、秋のとば口のように心地よいさみしさ、満ちたりた静けさを感じる。気温の低さと風、それから虫の声なんかが影響しているんだろう。春のあいだは梅雨入り前の陽射しがいいとかずいぶん書いてきたけれど、そうか、その時々の季節に適応して大気への好みも移ろっていくのだなあ。かつて夜明けの空を見ていたときと同じくらいに、夜闇に包まれて過ごすこうした時間のことを、甘く美味しいものに思う。

2019年7月8日(月)

曇り空。この梅雨は本当に涼しくて、過ごしやすさは現状とても良いのだけれど、晴れた空もたまには見たい。太平洋側の気候の特色は冬晴れて夏曇るというもの。数年前にひと夏の日照が平均の半分だった年があり、あの曇り空の日々は開けた気分になれないまま、季節が一つ過ぎ去ってしまった。今夏は太陽の見える日がきちんとあればいいのだけれど。

僕の課題として、上手に断る術を持つことと、不満を適度に吐きだすことが挙げられそうだ。

2019年7月9日(火)

安請け合いをするのは自分に優しくないなー。本でも読もう。ScoobieDoのensembleが秋のよう。

2019年7月10日(水)

頭痛。お布団へ。

2019年7月11日(木)

椎名誠の中古本をまた何冊か積んである。

先だって葬儀が割って入ってしまったけれど、自分で使うベッドのマットレスを新調しようとしていた。いま使ってるのは七年か八年物で、厚みがへたってきてるんだもの。オンラインで見つけたものは圧縮梱包という送り方をされてきた。ぎっちり簀巻きにされ小さくなっているマットレスを、梱包を解いて一週間ほど放っておくと元の厚みに戻ります、という。しかし待てども、嵩が減ったままで厚みはたいして戻らない。仕方ないからお店とメールをして返品させてもらった。ニトリのマットレスはちと固い。普通のウレタンで出来ている、横になれば身体が沈むマットレスを探してるのだよねえ。

シグマから出るポケットサイズのフルサイズミラーレスなんてのを読んでいると、いま貯金しつつ狙っている次のボディはペンタックスでなくてもよいのかもな、なんて思う。手持ちのレンズ4本のうち31mmと50mmマクロがフルサイズ対応だから、マウントアダプターを見つけられたらどのメーカーへだって行ける、ってわけではあるんだよね。フルサイズの型落ちでは、α7IIが新品で12万円、EOS 5D Mark IIIとD810が中古でそれぞれ12万円といったところ。

BOOTHで見かけてCDが気に入っていたPitohui Recordsさんの「えるなび!」を読んでいた。架空世界の旅行雑誌という趣向で自由にダウンロードできる。あああ、こういうのすごく楽しそう。すぐに自分でも、手持ちの写真を絵画ぽく加工して二番煎じ的なアレを作れたら、なんて考える。ていうかここでたまに書いている断片ぽい文章は、初めのうちはそれっぽい写真を組み合わせることを前提にしていたんだった。忘れてたな……。

メモ代わりにまた。PhotoshopやLightroomを使った綺麗なフィルター、アクションファイルというのがDeviantArtやPhotographyPLANETほかいろいろで配布/販売されていて、それが写真加工の魔法の核になっている。

カメラ持ってふらふらしているとき、「この風景をこう撮ったら綺麗なんじゃないか」と「創作の素材になるものがほしい」は頭の余裕的にけっこう競合してる気がする。

2019年7月12日(金)

ルーズスキンという言葉を知った。猫のお腹の皮が弛んでたぷたぷしていることで、うちの猫がまさしくそれだった。猫の特定の種族がそうなりやすいことや、避妊手術でもなるという解説があり、本人は困っていないようだけれどなんでこんな腹が垂れるんだろう、と思っていた謎が解けた。身体の締まった猫に比べると、弛んでいる皮の質感は掴みやすく柔らかく、でろんと転がっているときなどちょっと液体に似た趣があった。

今夜はラジアン聞きながら本を読む。

2019年7月13日(土)

祖父がお歳暮のさくらんぼを持って行けと電話で言うので貰いに行っていた。けっこう話をした中でどじょうやうぐいを捕る仕掛けの話題になり、その罠の作り方から設置の技術まで、いずれ教えてほしいとなんとなく伝えた。昔はよく捕れたが、ということだ。

NHKR1のらじらー! にて、BGMにNo.9の曲が流れていて笑った。おお、という少しの感動。

友達にグロ耐性無いんだっけ、と聞かれて「ヘルシングがいいとこ」と答えたら、ゴールデンカムイを勧められた。ので、Amazonで少しずつ視聴しているところ。地上波で放送されていたときまばらに観てはいたのだよね。聞くと、二期のラッコ鍋の回が必聴なのだという。僕は必要のない残酷描写というのがとても苦手なのだけれど、この場合は理由があっての表現なんだよなと思うことにして、ただいま五話まで到達した。癒しキャラだと教えられていた脱獄王にボーボボ枠を感じてうすらこわい。

今日上がるはずだったMOMO4号機の打ち上げウィンドウは来週の土曜に設定されたとのこと。

2019年7月14日(日)

春にリリースと聞いていたWinampのバージョン6は音沙汰がないなと思い当たり、公式サイトを覗いてみた。が、特にお変わりないみたいだ。

春といえば、いつだったかTwitterで見かけた春泥というインクがとてもいい色をしていて、ああこれはほしいな、使いたい、と思っていたことを思い出した。なんだろ、エルバンのグリヌアージュというインクを学生のころに購入していて、封を切ることもなく見えるところに飾っていたのだけれど、一昨年あたりから開封してわりと使ってる。このグリヌアージュが、春泥を薄くしたようなわずかに青みを帯びた灰色で、公式サイトの説明によれば、嵐の前の海上に見える雲の色だとか。屋上を思い出すこの灰色にはひと頃の痛みが伴っていたのかもね。時の経過のおかげでいまではお気楽に使えるし、空の青色したインクがあってもいいんだよな、なんてさえ思う。それで春泥だけれど、お高い……色彩雫の小びんが減ってないから、そっちを使うのが先か。

2019年7月15日(月)

ふるさと民話の会が語る、地元/全国に伝わる民話を聴きに行った。うん、いいんじゃない。一時間ほどの口演で、寛いだために途中で眠気が来てしまったのだけれど、上手い具合に手足を動かす機会が設けられていて助かった。へー、うちの菩提寺は意外と歴史があるのか。

虫の音が次第に途切れていくのが感じられました。

メルツェルはまだ暗いうちに目を覚ますと、しばらく物陰を眺めて闇に目を慣らしてから、ハンモックを降りて戸外へ歩いていきました。

川はぴちゃぴちゃと弛みなく流れ、そのおもてに天空のもうひとつの河を映して輝いていました。でも、東の空の端はうっすらと光を帯び、小さな星たちはいとまの支度を始めていたのです。

彼女はまっすぐに腰の辺りまで河に入っていって、生ぬるい黒い水をざばざばと浴び始めました。

わずかな川風がそよぐ岸辺には、やはり涼を求めてきた人々が腰掛けたり、水をすくって身体にかけたりして、それぞれのやり方で一日の最も快適な時間を過ごしているのでした。

流れに体温を逃がしている彼女の前を、小舟が暗がりから滑り出して港を目指し下っていったかと思うと、積み荷を乗せた商船が川面を水車で掻き回しながら遡上していきました。

すっかりその温度に慣れてしまうと、メルツェルは水から上がってシャツの裾を二、三度絞り、再び眠るために宿へ戻っていきました。

そうして、人や物音の気配が川べりにゆったり漂い始めたころ、空は暁を控えて色彩を取り戻し、もうひとつの河は再び訪れる夜へと向かって、静かにその姿を眩ませていくのでした。

2019年7月16日(火)

夕暮れに蜩とにいにい蝉が鳴く。

一昨日あたりに一粒きゅうり(プチキュー)の収穫の第二弾があったのだった。実にはいくらか酸味があり、味噌をつけてかじると全体の味わいがまろくなってよい感じ。2cmくらいの大きさで収穫すると皮が固くなく食べごろ。春に種を蒔いたボリジはしれっと花を咲かせていた。すっと伸びた姿になんとはなしの明るさがあり、その花の紫がかった青は繊細で、デジタル媒体で表現するのが難しい。

LisnのAlice(アップルティー)とNight in Tunisia(ジャスミン)の焚き合わせが気に入ってる。ルームノートというのか、この甘い余韻が好きなんだよね。たばこ止めちゃったことだし、たまにこれくらいの贅沢はよかろ。同Prizesの漢方の香りとか、PrayerやRhythmといった闇に漂う花の甘さも好み。LisnのラインナップのうちではPortative Organ(香木のミックス)がずっと気になってる。これはストアの会員になれば一本からの購入が出来るようで、そのためだけに入会を検討してもいいかもなあ。

2019年7月17日(水)

今日の青空は久しぶりだなー。夕方にうっすら通り雨があった。

祖母と叔父の初盆のために提灯を送ることになり、際物兼呉服店へ入った。長いことこの店はなんだろうと思っていたのだけれど、際物=きわもので季節もの(鯉のぼりやひな人形なども含まれる)かー。提灯売り場は橙と白っぽい柔らかい光に包まれていて、不思議に美しい空間だった。お盆の一ヶ月前な事が影響しているのか、二組ほどの先客がそれぞれ店の人と話したりしている。どうやらかき入れ時の雰囲気だった。提灯に家紋を入れるために時間が掛かるとのことで、二週間ほど先の(友引でない)受渡日が決まった。帰り際、竹と和紙で出来た油引きなうちわの陳列を見かけ、いずれこういうのをゆっくり見に来る機会があればいいなあと思う。

2019年7月18日(木)

ヴェルヌの八十日間世界一周(創元SF文庫)をかじり読みし始めた。もしかしてこれ、日付と時刻がこの調子で刻まれていくのだろうか。

本に関連して相変わらず椎名誠の本を漁っているのだけれど、未読の書籍の底がうっすら見えてきた感じがする。少し前に、これら読み終えたものが積み上がり邪魔になってきたため、ボール箱に詰めたりしていた。読み物の尽きることがない作者だと思っていたから、こうして我に返ってみると、なんらかの予定が半ばを過ぎたかのようなさみしさは、少し。

積ん読は増えていくのだよなあ。好奇心の貯金だと思って古本を集積しているから、減るよりはずっといいけれど。読書習慣のほぼ欠落していた時期が何年間もあったせいで、去年の春あたりからこっち読むことのリハビリに回ってる。それとは別として、ムーミンシリーズを季節に合わせて読み込んでいて、こっちは例年通り。夏のムーミンは光に透明感があってよいね。ちくまは購読切れの通知が来てしまったため、購読を二年ぶん継続しておいた。

2019年7月19日(金)

期日前投票完了。明日はラーメンを食べに行く約束ができた。こういうことを書くと幸薄そうだけれど、カルピスはごく薄いほうが美味しい。ポカリやアクエリアスの位置にカルピスを置いても味わいは遜色ないと思うのだよなあ。

2019年7月20日(土)

昼ごろに友達とラーメン屋へ向かう。店の前で順番を待つ他の客らに混じってたむろすることしばし、奥の窓際に座っておすすめのつけ麺と餃子を食す。すぐに止んだ通り雨のあとを歩き、彼の家でうだうだと音楽や映画なんかの話をして、夕方になり帰着。今になって妙に日曜感がある。

2019年7月21日(日)

雨。気分がぱっとしないなー。早めに眠るがよかろ。

2019年7月22日(月)

水曜以降のどこかで梅雨明けが発表されるかも、という記事があった。急に暑くなるそう。明日は大暑。

春くらいからある程度分かってはいたことだけれど、今年の七月はほんとに雨降りだったなあ。西日本で再び大雨が降っているという話もちらほら届く。少しだけよかったのは気温の低さで、これは過ごしやすくて助かった側面もある。ただ、こうも涼しい日が続くと飽きが来て、もう十分だから晴れてよいよという感じ。水没感ももう尽きたしね。

そんなんで青空を望んでいるわりに、読む本があるから日の下になんか出ないよ、みたいなダアクに満たされた志向もある。なるべく理由付けて外にいるよう仕向けねば。

2019年7月23日(火)

園芸や農作物全般で、今年は生育不良が出たりしているんだろうか。植え付けが少し遅れたとはいえ、夕顔の蔓の伸びがこんなに遅い年は過去にあまり無かった気がする。

どうという話でもないのだけれど、梅雨が終わるころをテーマにしている音楽が少し手持ちにあって、いまはそういうのを軸に聴いてる。musieで拾った曲が多く、いまとなってはどこで活動しているのか分からない作成者ばかり。

土曜に叔父の四十九日がある。

2019年7月24日(水)

やっと晴れたよ! ただし日没より豪雨。梅雨がどしどし明けていく。

旧3級品の紙巻きたばこが今後廃止され、税率の抑えられるリトルシガーにブランドを移すとか。フィルターが付いたあたりで「これじゃちがう」という嘆きを目にしていた。リトルシガーだともう全くの別物になってしまう気がする。コンビニで手に入る両切りは十本入りピースが最後の砦になるのだろうか。……たばこを止めたくせにまだこうして執着してるんだなー。

言うだけタダな話で43mmF1.9がほしい。リコーのリミテッドレンズのページでプロの写真を見ていると、こんな視点があるのかと思いがけない感じがしたり、自分でもいろんなものを撮りたくなる。その中でいいなあと思ったのはこちらの作品だった。塙 真一 smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited インプレッション | PENTAX Limited Lens スペシャルサイト | RICOH IMAGING 三枚ともふわっとして柔らかいところが好み。明るいレンズで開放気味に風景を撮るとそれだけでさまになる、ということを31mmで経験して感動していたから、残りのFA Limitedな43mmもきっと使っていて楽しいだろな、と想像してる。視点と構図に関しては、上手い人の作品を参考にするのが上達の近道なのだろうなあ。当面はまだ見ぬペンタックスの最新機を買う名目で貯金しているから、43mmを手に入れるとすればその後になる予定。

低い夏山に入ってみたい。というかチタケ採りしたいなあ。もし土地っ子だったおばさんが存命なら、僕は山歩きの仕方を教わったりしてとても仲良くできただろうに、と周りからは言われる。きのこ採りの定石としてよく聞くのは、詳しい人の指導の下で食毒の見分け方を学ぶことで、親族を見回してもそういう山に入る人はもういないんだよねえ。……なんだか去年も似たようなことをここに書き付けていた覚えがある。あれはばあちゃんの容態が思わしくなくなってきたころだったような。で、夏山はいろいろと生きものがいておっかないから、ひとまず入って慣れるべし。理想は下草が少なく見通しのいい山で、探せば見つかると思う。放射性物質の懸念があるから、山野のきのこを採っても食べるかどうか悩ましいけれど、自力でチタケを集められるくらいの技術は身に付けたいのだよね。

2019年7月25日(木)

さっきまで雷が間断なく轟いていた。

森実恵さんの『“心の病”をくぐりぬけて』 (岩波ブックレット)を読んでいるところ。「小冊子だがカロリーメイトのように滋養豊富」というレビューがとてもしっくり来る。

春先の喜びの反動で八月はたいてい力尽きているから、今夏もまあそうかもなと思う。

2019年7月26日(金)

台風を控えた夕暮れの南風に予兆めいたものを感じ、高台から町の景色を眺めていた。久しぶりに眩しかった太陽は既に傾いて、濃い色をした雲のあいだから青空が覗き、それを背にツバメやカラスが風のうねりを乗り越えていく。どの車両も照明を付けている青い薄闇の時間だった。忙しなく市街を流れるその光を見下ろすうち、風景そのものが休息を目指してゆっくりと呼吸しているように思えた。こうして時折目の当たりにし、そのたびにしみじみと不思議に思う。光源を失った薄明の青と家並みや街路に灯る光の対比は、どうしてこうも落ち着くんだろう。暮らしを織りなす人々の思いに近付けるからかも知れない。「うちへ」とか「やすむ」や「ごはん」といった、ごく単純な輪郭ではあるけれど。

病院にて、医師から「その腕ずいぶん日焼けしましたね、なにされてたんですか」と食いつかれた。自分で見ても意外なくらい袖のあたりに濃淡が表れていて、なにしてたっけ、と説明が不明瞭な怪しいひとに。思っているより日なたにいたのだろうか、でもこの梅雨は焼けるほどの陽差しがあったかなあ、なんて謎が複数あったけれど、とりあえず日焼けするのはよいことです、という話に落ち着いた。

いまは青果売り場に桃やぶどうが登場する華やかな時期で、もうじき早生の梨やりんごも並び盛りを迎える。それだけでこの季節が好きだ。種類豊富な実りの様子は見ていて気持ちが解れるし、旬の果物が入り混じったあの甘い匂いを嗅ぐと、今年もこの季節に辿り着けてよかった、と思う。果物に限らず、夏の後半というのは全体的にまとまりがないくせ予兆めいている。『楽しいムーミン一家』は言わずもがな。やまだないとさんの『コーヒーアンドシガレット』は、予感と共に移ろいゆく主人公の季節を映画のように上手に描いていた。この漫画は比較的短い作品で全編フルカラー。お洒落な作品に抵抗ないよという、主に独り身の方にお薦めしたい。ひとりで飲むコーヒーが美味しくなる。

夜と朝は思考の熱が引くから活動しやすくてよいね。震災からこっち、週末のラジアンがわりあいな楽しみで仕方がない。夜更かししてどうでもいい話を聞きながら本を読む、という時間が甘美なのだな。

2019年7月27日(土)

四十九日は明日だった。台風は上陸後に素早く熱低へ。眠ってしまおう。

2019年7月28日(日)

久しぶりに星が出てる。土と樹がむせるように香る。有るか無きかの夜霧。

叔父の法要おしまい。従弟から婚約を進めているという彼女を紹介され、慌てて挨拶した。このごろ人生が奇妙でわけの分からないものに思えることがある。クラフト・エヴィング商會の作品に登場する「ロンリー・ハーツ読書倶楽部」を思い出す。ここに入部して、世界中に蔓延した悲しみを理解するとき、かすかに鼓動する「おかしな本棚」へ辿り着くという。僕にとって悲しみはまだ、幽霊か岩のようにそこにあるだけのものだなー。

今年のダージリン夏摘みは職人によって精度の高い製茶がなされているという話。紅茶に限らずお茶界隈はずっと追い風のようで、最近では春摘みや烏龍茶といった淡い香りに注目が集まっていると聞いた。お茶に関心を持った初めのころは、夏摘みのマスカット香にひたすら感動していたものだけれど、今となっては僕も淡い香り、その中でも青い草原の香りが好ましいなあと思う。そういえば日本茶の蒼風を少し前に飲んでいた。草原の青さとは若干毛色の異なる、でも色彩を持ったよい香りのお茶だった。

2019年7月29日(月)

アウトドアショップで熊よけの鈴を購入。より大きな音が出るカウベル型もあったんだけれど、今のところこういう鈴へのこだわりはないから、お手頃な値段のこちらにした。鈴はカラビナで吊り下げるようになっていて、十文字の口にマジックテープを差し込むと音が出なくなる仕組みになっている。現実的には、熊が出るような山深い場所には行かないことがいちばん良いのだろうな。きのこは林道脇なんかでもよく出るそうだから。

夜道を原付で走っていると、星々や街の光をはらんだ夜空がほんのり明るくて、べったり塗りつぶされたような地上の漆黒とは対照的だなあと思う。あの明るさは大気の層に宿ったものなのだろう。曇った夜空よりも晴れている夜空のほうが透明で奥深い感じがするのは、雲の有り無しに加えて、果てしない空間が直接広がっているその奥行きを映しているのかもしれない。たしか詩人の最果タヒという方が「夜空はいつでも最高密度の青色だ」という詩集を出されていて、詩も内容も知らないままにそのタイトルだけ覚えている。

Internet Explorer 5.5や6をVirtualPCでWindows98の環境にインストールすると、どうやらIEコンポーネントは当該バージョンに更新されるのだけれど、実機で目にしていた装飾的な機能はそぎ落とされるみたいだ。IE5.5のヘルプメニューから開けたクレジットにはかつて、スタッフロールと簡単なBGMが流れていて、そのメロディが好きだったのだよね。確認のためにそのクレジット画面を出したい。うーん、どうしたものだろ。

2019年7月30日(火)

きのう関東甲信で梅雨明けしていた。眠ろう。

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